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第49話 ミト
「ミト、少し眠ってたね。お腹空いたろう?
何を作ろうか。」
「ロジ、怖い夢を見たの。キスして。」
キスしてもらうとそれだけでは終わらなくなるんだけど。
「ミトはいつも怖い夢を見るんだな。
私がそばにいるのに何が不安なんだ?
もうこの頃は誰とも浮気してないぞ。
ミトにしか勃たなくなったぞ。」
(その唇を貪るように吸う。ミトは特別だ。
私は初めて本気で人を愛したような気がする。
ちょっととがらせて、拗ねたように見えるミトの唇。肉欲を刺激する無防備な。
尖り気味に上向く顎の線は、ラファエロの彫像か。可愛い可愛い。溺れて行く自分を制御出来ない。私を信じて縋ってくるその瞳にサディスティックな嗜好を刺激される。
泣かせたい。泣いて許しを乞う顔が見たい。
でも、もしそんな顔を見たら胸が張り裂けるだろう。今度は私が許しを乞う番だ。
ミトに出会ってからずっと私は混乱している。
抱きしめる事しか出来ない。)
「ロジ、顔が怖いよ。」
首に抱きついて囁く。僕はすぐにペニスが固くなってしまう。ロジが見つけて握ってくれる。
「は、は、、ロジ、また腰がムズムズして来た。」
「ミト、少し痩せただろう、お尻の辺り。
何か食おう。」
「だってロジがいけないんだ。
離してくれないじゃない。」
「そうだね、ごめんよ。ミトを太らせないと。
何か食いに行こうか?」
「ううん、ロジのフレンチトーストがいい。」
「よし、作ろう。その後、フレンチスタイルでお礼してくれるのか?」
「何?フレンチスタイルって?」
「口でしてくれるんだろ。」
ロジが笑ってる。あの口元のシワが好きなの。
エロい。ロジはわかってるかな?
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