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第54話 ロジとメイ

「僕もう一つ、気になってることがある。 ロジとメイ先生の事。  ロジの心の中には、メイ先生が大きな場所を占めてる。  僕を愛してくれるけど、メイ先生を忘れられないのがわかる。  琥珀ちゃん、どう思う?」 「なんか嫌だな。誰にもあげないよ。 メイ先生とは、絶対離れないって犬塚神社の神様に誓ったんだから。  ミトどうしよう。メイ先生を失ったら琥珀も生きていけない。」 「僕だってロジがいなくちゃダメなんだ。」  琥珀ちゃんと抱き合って二人で泣いてしまった。琥珀ちゃんは僕と同じ。同胞だ。 「お互いに、絶対離れちゃダメだよ。共闘だ。」  友情のキスをした。もちろん軽くだよ。 「相手の手を離さないで。」 二人で誓いを立てていると、ロジとメイ先生が帰って来た。 「広い庭だなぁ。外の通りから見るより、神社全体が広く感じる。怖いくらいだ。  ミト、ラクダがいたよ。」 「えっ?」  琥珀ちゃんが笑って 「ラクダさん今日は出てたんだ。 石のラクダだよ。大きいの。でも会えない時もある。琥珀の大好きなラクダさん。」 「広すぎて滅多にラクダ岩までたどり着けないんだけど、今日は見えたね。 ラクダもロジャーに会いたかったんだろう。」  ロジは我慢出来ずにメイ先生とキスしたんだって、後から聞いた。  僕も琥珀ちゃんと友情のキスをしたよ、って言ったらロジは複雑な顔をしてた。 「五月雨、会いたかった。 ここに五月雨がいると思うだけで苦しくなる。 ミトを愛してるのとは違う、心の別のところにお前がいて私を苦しめるんだ。」  メイ先生はロジを抱きしめてくれた。激しいキスをしてくれた。  深い森の中で,誰もいない。二人だけ。 「僕もロジャーが好きだよ。でも、琥珀を愛している。琥珀とだけしかセックスはしないんだ。  心に誓っている。 琥珀は心もきれいだけど、セックスも僕とピッタリ合っている。  ごめんな、ロジャーとはキスだけだ。」 そう言ってロジの激しいキスを受けた。  フラフラになって二人は帰って来た。セックスした訳でもないのに疲れ果ててしまった。 「ミト、帰るよ。五月雨また会おう。 琥珀ちゃん五月雨を頼みます。」

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