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第9話

「えっ……」 αのフェロモンの匂いに弾かれたように顔を上げ、扉を見やる 扉の前にいる士郎さんと目が合ってしまい、自分が持っている服に気付いて血の気が引いたように一気に青褪める 「ぁ…えっと、これっ…ちがっ、作ってないからっ! か、片付けてただけ、で…ちがっ…ごめっ、ごめん、なさいっ…」 慌てて服をハンガーに掛け直そうとするも、手が震えて上手くできない 彼が近付いて来る気配に更にパニックになり、ガタガタ震えながらしゃがみ込んで頭を腕で隠し 「ごめっ、なさい…も、しないから…もう、入らないから…嫌いに、ならないで…殴らないで…捨て、ないで…」 ボロボロと涙が溢れ出し、呼吸が上手に出来ない 嫌われたくない 捨てられたくない いきなり、包み込むように抱き締められ、ビクンッと身体が強張ってしまう 「どうして?俺の為に巣を作ってくれるんでしょ? 雪兎のこと、大好きだし、絶対に離さないから安心していいよ それに、俺が雪兎を殴るなんてあり得ないから。大丈夫、安心していいよ」 背中を優しく撫でながら士郎さんの膝に座るように抱き抱えられ、先程落としてしまったワイシャツを渡される おずおずワイシャツを受け取り大切そうに抱き締めていると、何度も何度も、耳元で「愛してる」と言ってくれた 「雪兎、巣作りでも怖いことがあったんだね…ごめんね、気付いてあげれなくて… 今までいっぱい我慢させてしまってたんだな…」 士郎さんのせいじゃないのに、眉が下がって悲しそうな顔をして僕のことを見てくれる 否定したくて、そんな顔をして欲しくなくて、首を横に振り 「士郎さんのせいじゃない…あの、昔初めて作った時、汚いって、臭いって言われて、入って貰えなくて…入れさせて、貰えなくて…でも、かた…片付けろって、言われて…ひっく、痛かった…自分で、壊すの…痛かった…」 当時の哀しみが溢れ出し、口にする度に涙が零れ落ちる ワイシャツをギュッと握り締めながら士郎さんの胸で泣きじゃくってしまう 「うん、雪兎は今までそれも我慢してきたのか…大丈夫、俺はそいつとは違うから。雪兎の巣は、作りたい時に作っていいから。いつか、俺もその巣に入れさせて欲しい」 士郎さんの優しい声と温かさに涙が止まらない ずっと苦しかった ずっと、言いたかった ずっと、諦めてた でも 作っても、いいの? ずっと好きでいてくれる? 一緒に居てくれる? 愛して、もらえる? 我儘、言っていいのかな? 番に、してもらえるのかな? 「士郎さん、僕の頸を噛んでくれますか? 欠陥品の僕のこと、番にしてくれますか…?」 彼の胸に顔を埋め、消え入りそうな声で哀願する 断られたらどうしよう… そんなつもりじゃなかったって言われたら… やっぱり、今までが気のせいだったって言われたら… なかなか返事を貰えない 沈黙が怖い… やっぱり、ダメなのかな… 僕なんかが士郎さんの番には相応しくないから… 「あっ…ごめ、なさい…気にしないで…。やっぱり、嫌だよね…」 涙で彼の顔がよく見えない 無理矢理笑顔を作ってみせるも、上手く笑えない 怒ってるのかな… やっぱり、言わなきゃよかった… また、出て行かなきゃ… ずっと、ここに…居たかった、のに…… 彼の胸を押して離れようとした瞬間、先程よりも強い力で抱き締められる 「いいの?雪兎、怖いなら無理しなくていいんだよ? 俺は、雪兎のこと。一生離してやれなくなるよ。 俺が愛してるのは雪兎だけだよ」 言われたことが信じられなくて、でも、今までずっと感じていた不安が消え去っていく 嬉しいはずなのに、さっきから涙が止まらない 「士郎さん…僕のこと、一生離さないで...士郎さんだけのモノにしてください」 目を閉じて彼にキスをする 触れ合った場所がいつもよりも熱い 衣装部屋にまだいるせいか、巣を作っていないのに士郎さんの匂いに包まれているようで、身体がもっとというように求めて、ズボンに染みが出来てしまう程お尻が濡れてしまう 彼のズボンの前も窮屈そうになっているのが見え、はぁ…と熱い吐息が漏れる 「士郎さん、ベッド、連れてって…早く、士郎さんと一緒になりたい」 彼に抱き着き、疼く股間を擦り寄せる 何かを耐えるように少し赤くなった士郎さんが僕を抱き上げてくれ、そのまま寝室のベッドに運んでくれた 今までにもいっぱい身体を重ねてきた場所なのに、いつもよりもドキドキして、早く繋がりたくて仕方ない 「雪兎、本当にいいんだな?今なら…」 士郎さんが何か言いかけるのを唇を被せて言葉を奪う 「我儘、言ってもいいって…士郎さんが、良いって、言ったから…」 身体をずらして彼のズボンを下ろし、ペニスを取り出す 今までしたことはなかったけれど、どうしても今すぐ舐めたくて… 「雪…、雪兎…」 先程よりも硬く大きくなったペニスに舌を這わせる 熱くて、雄の匂いがいっぱいするそれを、いつもされているのを真似るように舐め、口に含む 「んっ…ふ…ぁっ…」 鼻腔を抜ける匂いで頭のナカまで犯されているように熱くなり、まだ触れていないのに、アナルが濡れてヒクつく 「雪兎、腰が揺れてる…こっちは俺が可愛がってあげるよ」 いつの間にか、下は脱がされ、士郎さんの長い指が濡れたアナルに入ってくる 「ンンッ…んくっ、ん、んふっぁっ…」 指がどんどん増やされ、3本の指をバラバラにナカで動かされるとグチュグチュっと濡れた音が響き、咥えているのも辛くなりほど快楽に流されていく 「ぁっ…んっ、ふあっ…し、ろ…さ…」 ペニスを咥えることが出来ず、根本に指を絡ませ、舌を時々出して舐めるだけで、殆ど喘ぐしか出来ていないほど溶かされ 「雪兎、可愛い。頑張ってフェラしようとしてるのに、ココ、気持ちいいもんね」 「ーーーッー」 前立腺をトントンと指で押され、声にならない嬌声を上げて呆気なく射精してしまった クチュンっ 滴るほど濡れたアナルから指を抜かれ、糸が引く指を見せられる 無意識に手を添えてピチャピチャと水音を立てて指を綺麗にするように舐める 「雪兎、いつもより濡れてるね。子宮も指で届きそうなくらい下がってる。俺の、欲しい?」 いつも優しい目がギラギラしていて、熱い吐息を漏らしながら言ってくる コクコクと何度も頷いて自ら四つん這いになって脚を開く 早く挿れて欲しい… ナカにいっぱい出して欲しい 士郎さんを早く感じたい 熱いそれがゆっくり押し広げるようにナカに挿ってくる 「んっ、んんっ…あっ…」 ナカを慣らすように浅いところを出たり入ったりし、徐々に奥に挿れられる 「ぁ…しろ、う…さん…大丈夫…だから…奥まで、きて…」 ゆっくりの動きが焦ったく、自らも腰が揺れて催促してしまう ズンっと先程とは打って変わり、奥に響く程の衝撃に目の前がチカチカする 「あ"っ…」 いつもとは違う貪るような繋がり方に身体が歓喜している 「ア"っ、あぁっ!そこっ、すき…きも、ちぃっ…きも、ちぃっ!」 ナカを抉るように打ち付けてくる士郎さんのペニスの根本がコブのように膨れるのがわかる 強いαが、最愛のΩを逃がさないように、孕ませる為に抜けないようにする為のコブ 逃げれないように腰を強く抑えられ、押し潰されそうな程何度も腰を打ちつけられる 「んあっ、あっ…ぁっ…あっ、ひゃっ」 手で口を押さえても、激しくナカを突かれる度に声が出てしまう 後ろから抱きしめられ、士郎さんの膝に乗るように体勢を変えられると先程よりも深く繋がるのがわかる 「んやぁあっ!もっ、イクッ、いっちゃ…」 「くっ…」 射精した瞬間、ナカをギュッと締め付け、奥に士郎さんの熱いモノがドクドクと注がれるのを感じる 「雪兎、愛してる」 ガリッ 頸に電気が走るような痛みと同時に今までよりもずっと甘い痺れを感じ、ガクガクと震えながら甘イキする 「………ぁっ…」 士郎さんにもたれるように身体の力が抜け、首筋の甘い痛みがジクジクとする 「士郎さ、ん…愛してます」 何度も深く口付けをし、一向に萎える気配のない士郎さんのペニスをナカに感じる 「ゆき、雪兎…愛してる。もっと、雪兎のナカをいっぱいにしたい」 ナカで出された性液を擦り付けるように腰を揺すられ、気持ち良い部分を撫でられるだけで声が出てしまう 声が涸れ、何も出なくなるまで何度も何度もイかされて、お腹が苦しくなるまで沢山愛し合った

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