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第29話

「ンッ……ぁ…」 時雨の衣服を全て剥ぎ取ると、圭は愛液が滲む蕾へ無遠慮に指をニ本捩じ込んだ。 先程慣らしたこともあり、自分を受け入れられるぐらい広がった後孔に圭はごくりと喉を鳴らすと、時雨を組み敷き、足を持ち上げた。 そのまま自身の怒張したものをひくつく蕾へ押し当てると、快楽で意識がトビ始めている視点の合わない小豆色の瞳を見た。 アルファの色香と薬を使用したことにより、時雨の身体はより敏感で男を欲するものになっている。 以前、圭は仲間達と複数のオメガ達で乱交パーティーをしたことがあった。その時の友人がオメガへ今日、時雨に使った同じ薬を使用した。 アルファの色香を使わなくてもオメガ達は薬だけで淫らに乱れ、まるで獣のように男を求めて発狂していた。 今、まさに時雨はあの時のオメガ達と同じ状況にも関わらず、淑やかな態度を崩さない。 そんな姿に圭は驚いた。 「時雨……」 大丈夫なのか不安となり、圭は名前を呼んで右掌で時雨の左頬を撫でた。 「んぅ……ッ…」 ビクンッと身体を大きく跳ねさせ、オメガのフェロモンをふわりと飛ばす時雨に圭の心臓が大きく高鳴った。 ドッドッドッと、逸る心臓の音が耳鳴りのように脳へ木霊する。 「時雨、ごめん……っ、優しくできないっ!」 圭は吐息で申し訳なさそうに告げると、必死に留めていた理性がぶちりと切れる音を聞いた。 同時に時雨の蕾へ自身を勢いよく捻じ込み、奥へ奥へと身体を激しく揺さぶっては貫いた。 「ぃヤァァアぁァーーーーっ、アッアッアッ……んぅ…あぅゥ……」 時雨は悲鳴を上げながら絶頂を迎え、激しい波に連れ去られる感覚に慄き、ベッドのシーツを鷲掴んで顔を左右へ振って涙を散らす。 「あっあっんっ……、はぁうぅ…ふ、ふかぁいぃ〜、アッアッだ、だめっ!イくっ、またくるぅっ‼︎」 前立腺を何度も擦り上げ、奥の壁をガンガン突き上げられる時雨は止まらない快感に恐怖を感じた。 「ィヤァーー、つ、つよいっ!はぁはぁァアんっ‼︎イ、イくぅっ‼︎」 ビクビクッと身体を強張らせ再び達すると、時雨は苦しいと甘えるように圭へ手を伸ばした。

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