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第10話・お互いに⭐︎
二人は残った衣服を脱ぎ捨てて、その場で寝転んでも気持ちよさそうなカーペットを踏み締め室内へと足を進める。
白を基調にした気品のある部屋は、ソファやテーブルのある寛げる空間からドアを隔てた先にベッドルームがある。
常であれば興味を惹かれるであろう特別感ある内装には目もくれずに移動し、二人で広いベッドに雪崩れ込む。
弾力のあるマットが揺れながら二人を受け止めた。
シーツに皺が寄り、金の刺繍の施されたベッドライナーがズレるのも全く気にしない。
「灯り、どうする?」
「枕元のだけで良いかな……雰囲気出るだろ」
ソーマの返答を聞いたセイは目を細め、ベッドサイドにあるボタンに手を伸ばして灯りを調節する。
薄暗い中で、橙色の光が互いの姿を浮かび上がらせた。
ソーマは座っているセイの太ももに手を掛け、起立したモノに顔を寄せる。
「な、もういいか……?」
「いいよ、ソーマ。でも、体勢を変えよう」
二人が乗っても余裕のある大きなベッドに寝そべったセイは、ソーマに自分の顔を跨ぐように促した。
ソーマの顔の前にセイの昂りが、セイの方にはソーマの欲望がある状態だ。
「こ、これ……なんか恥ずかしいな……」
こういった体位の知識はあったが試したことはなかったため、ソーマが落ち着かな気に腰を震わせる。
「恥ずかしがってる顔が見えないのが残念だ」
「んんっ」
セイがソーマの中心をざらりと舐める。
体を跳ねさせたソーマだったが、自分も待ち焦がれていたモノの先端を咥え込んだ。
そして先走りの蜜の味を舌の腹で感じ、それを堪能したくなる。
唇でくびれを刺激しながら舌先で蜜が溢れる場所を弄る。
「……っ」
ソーマの中心に舌を這わせているセイの吐息が聞こえると、嬉しくなってジュウっと吸う。
呼応するように浮いた腰と膨張した中心が、セイが感じているのだと教えてくれた。
「セイ……ここ、好きだよな」
「ん、……っ気持ち、いいよソーマ」
片手を幹に添えて何度も先端の出し入れを繰り返すと、セイの掠れた声が応える。
溢れて手を濡らす透明な液体が、自分の唾液なのかセイの蜜なのか分からないほど往復した。
「ひゃぁん……っ」
突如、夢中で貪るソーマが嬌声を上げる。
「ぁ、せ、セイ! ま、てぇっ」
口づけたり双玉をやわやわと揉んだりして加減した愛撫をしていたセイが、突然、敏感な場所である裏筋に舌を伝わせたのだ。
そのまま同じ場所を重点的に舐められ、興奮していたソーマの体は強く反応した。
「や……っぁあ!」
背がのけぞり、口からセイの熱が離れてしまう。
片腕では体が支えられなくなり、両手をつく。
もう一度咥え直そうと体を動かすも、
「ァ!?」
次は会陰部を指で押され、膝が崩れ落ちた。
セイの顔がソーマの双丘に埋まる格好になってしまう。
「ご、ごめんセイ……ぃああ! な、も、だめ」
「なにが、だめ、なんだ?」
「そんなとこ……!」
「いつもやってるだろ?」
セイはソーマの尾を指先で弄びながら蕾に舌を這わせていた。
襞を広げるように丁寧に、そして濡れた舌先でその中心の入り口をトントンと突く。
期待でヒクつく蕾とは裏腹に、ソーマは強く首を左右に降る。長い耳がセイの太股に何度も触れた。
「ち、ちがぁ! おれが、なにも出来なくなるぅ!」
「ソーマは気持ちよくなっててくれ。全部俺が、やってやるよ」
「っは……ぅ」
入ってきた舌を内壁は歓迎していた。
ナカを濡らすためにゆっくりと唾液を塗りつけ解していく。
「ふ、ぁん!」
尾を弄っていた指先が一本、舌とともに内部を荒らし始める。
「この辺り、だろ?」
「ぁ、あ……っ」
ソーマの体を知り尽くしているセイは、すぐに一点を探り当てる。
そこを擦り上げる度にソーマの中心は蜜をとろとろと溢れさせた。
このままセイから与えられる快感に身を任せたいと、ソーマの体は堕ちていきそうになる。とろけた表情でセイの中心を見つめ、唇から甘い声を零し続ける。
「……っ」
だが、次に息をのんだのはセイだった。
「ん……っむぅ」
ソーマがセイの猛ったものを、先端から根元まで一気に熱い口内に納めたのだ。
「そ、ソーマ……っ」
セイの戸惑いと熱をはらんだ声を聞きながら、喉の奥まで咥え込んだそれに強く吸い付く。
今度は自分の番だとばかりに、ソーマは中心に唾液を絡めながら出し入れした。
だが、セイの愛撫も止まらない。
どちらの中心も張りつめていて、相手の限界が近いことがお互いに分かる。
「っ、イキ、そうだ」
「セイっ……俺、もぉ……!」
会話を合図に、セイは中を弄る指を二本に増やし、片手をソーマの中心に伸ばした。
ソーマも、セイの体に伸し掛かるような体勢になってしまいながら、手も使って中心を抜く。
「……く、ぅ……!」
「んん……、ンぅ!」
興奮が高まり、ほぼ同時に達する。
ソーマの蜜はセイの体に、セイのものはソーマの口に放たれた。
ゴクリとソーマは喉を鳴らす。独特な味と匂いが口内に広がってきて恍惚と唇を舐める。
感じ入っていうことの効かない体をなんとか持ち上げ、指が抜けるのを名残惜しく思いながらセイの上から下りた。
呼吸がまだ整わないまま、ベッドの上で足をМ字に広げて座る。
セイが後を追うように上半身を上げると、ソーマは視線が合うなり挑発的に微笑みかける。
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