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第4話

事が終わり栗花落を部屋へ戻す そのまま泥のように眠りに落ちた栗花落。翌朝栗花落を追い詰めるように言葉を吐いた 「栗花落。君は本当に彼を愛していたの?昨日彼が来たのに目もくれなかったじゃないか」 「え?」 栗花落はとても傷付いた顔をした。それと同時にふっと諦めた表情になった。そんな顔をさせたかったんじゃなかったのに…ただ…栗花落を愛していただけ…俺の何が悪いのか。全くわからなかった 「彼もお前の姿を見て逃げるように帰ったけどね。良かったじゃないか。まだ傷が浅いうちで」 栗花落は何も答えなかった…良かったのだ…これで… けれどどこかにまだ彼を想う心があるのも俺は気付いていた それから更に時が経ってしまった。今日も栗花落を抱き眠りに落ちた彼を残し自室に戻ろうと扉を開けた 「晴」 栗花落の部屋から出るといつものように直哉がやってきた 「直哉。まだいたのか」 「当たり前でしょ?ねぇ。晴。今お前は幸せ?」 その問いに俺は答えられなかった。 「直哉。俺をこれから抱けよ」 「…仰せのままに」 直哉に抱かれ始めたのは栗花落が出ていった頃。 栗花落がいないことで不安になり直哉に縋り社長権限を使い直哉に抱かれたのだ。 そうしている間は栗花落を忘れられるから 「晴。もう一度聞くよ。お前は今幸せか?愛している人に愛してもらえないお前は今幸せなのか?なぁ。晴。わかってるんだろ?どうすればいいのか。答えはもう出ているんだろ?」 外は大粒の雨が降っている。この時期は毎年栗花落が逃げ出した時を思い出す。あの男と過ごしたあの幸せそうな表情を思い出す。 窓に打ち付ける雨音を聞きながらもう一度と直哉に縋る。 「今は何も考えたくない。俺をめちゃくちゃにしてくれ」 ねぇ。栗花落…幸せですか? 本当は気付いてる。お前をもう離してあげないとならないと… あの時の彼はまだ栗花落を思い続けている。それも分かってる。栗花落だって彼と同じ気持ちだってことも 「直哉…これからも俺のそばにいてくれる?」 「当たり前でしょ?」 直哉にキスをねだり身なりを整える。 「決めたのか?」 「あぁ。」 今年の梅雨も終わりに近付いてきた。 空には大きな虹が掛かっている… 「…栗花落…」 「はい…ご主人様…」 栗花落を伴い部屋から出る

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