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1.青空と"さよなら"と(7)

 朝、学校に着いたとたん、ヤスに言われた。 「要、お前、ちゃんと食ってる?」  覗き込むように見てくるヤスの顔は、随分と不機嫌そう。 「うん。食ってる」 「嘘つけ」 「嘘じゃないって」  鞄の中身を机の中に入れながら、笑って答える。 「……お前、自分の顔、鏡で見てるか。すげぇ、頬がこけてるぞ」 「……そう?」 「鴻上先輩から何も言われない?」 「最近、タイミング合わなくてね」  朝は、なんとなく身体がだるくて、家を出るのがギリギリになってる俺。帰りは帰りで、なんとなく俺が時間をずらしてる。  だから、あんまり柊翔と顔を会わせていない。  本当は、すごく会いたいと思ってるのに、不安な気持ち抑えられなくて、逆に一緒にいるのが怖い。今の俺は、矛盾ばかりで、おかしくなりかけてるかもしれない。 「だぁぁぁっ!もう、お前ら、何やってんだよっ!」 「ヤ、ヤス、静かにしろって」  ヤスの大声で、クラスの視線が俺たちに集中する。"なんでもないから"と周囲には苦笑いしながら、ヤスの頭をはたく。 「俺は、大丈夫だからっ」 「大丈夫そうに見えないから、言ってるんじゃんかっ」  怒った顔でそう言うと、プリプリしながら自分の席に戻っていくヤス。心配してくれてるのはわかってる。その気持ちだけでも、ありがたい。  ふぅ、と、ため息をつくと、今度は佐合さんが心配そうに俺を見ていることに気づいた。ニコリと笑って見せたけど、佐合さんの表情は変わらない。 『大丈夫だから』  声に出さずに、言ってみたけれど、苦笑いされてしまった。  
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