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12 新婚旅行と芸術と初めての夜1
世界はなんて輝かしいんだろう。今日も眩しい太陽のその下で踊りだしそうだ。
すっきりした面持ちでスキップしながら出社した一輝は今日も今日とて妻のためだけに精いっぱい働いている。
妻の凶暴な可愛さが日毎に増していき、おねだりを叶えるのがやっとの状態なのに、なぜか週明けから肌艶が良い。それもそのはず、18歳になってやっと精通した碧は、大好きな美術館巡りそっちのけでイヤらしいおねだりをしてきては、甘く可愛い声を聴かせてくれるようになったのだ。
初めて知った性器への刺激と射精の快楽に、碧は虜になったようだ。
刺激を求めて腰をくねらせ、素直に声を上げる。性的なことも快楽もなにも知らなかった身体が、知らなかった間の時間を取り戻すように貪欲に求めてきて、その激しさに心配になりかかりつけ医に電話で相談したくらいだ。
グルゴーファを抜く際のよくある症状だと聞いて安心した。
と、同時に開発者への多大な感謝がぶわぁぁっと湧き上がった。
愛しい妻の初めてのなにもかもが自分の手で行われたのは、碧がグルゴーファを服用していたからだ。生理現象まで押さえつけるほどの強力さを持っていなければ、彼の初朝勃ちも初自慰(一輝がやったから自慰ではないか)もすべて夫である自分が携わるなどということはできなかった。
本当に感謝しかない。
そして、今まで嘲りをもって見ていた幼児愛好者の皆さま、今になってあなた方の性癖がとてもよく理解できます!
あれは凶暴なほどの可愛さだ。
なにも知らない身体に快楽を教え込み、素直に飲みこんでいくのも可愛いが、自分にしか縋れない状況で快楽堕ちした後に貪欲に欲しがられたら、もう世界の支配者になった気分になる。だが一輝はそれで満足はしないし、もう一度味わいたいとも思わない。最愛の人の一瞬を共有できただけで満足だ。
自分は次のステップへと行く。
快楽に素直な可愛い妻をどこまでも淫らにするのが目標なのだ。
しかも自分限定で。
今朝も碧から可愛く朝立ちの報告を受け一緒に処理しながらキスをしまくるという幸せな時間を過ごしてきたから、無駄に機嫌がよくなっていた。
これもすべてグルゴーファのおかげだ。
そのグルゴーファを開発したのは碧の兄たちで、彼がオメガだとわかった時から「碧のためだけの発情抑制剤」を開発していた。絶対にアルファに気付かれないようにとのコンセプトでどんどん強力化していき、生理現象まで抑えてしまうほどの威力を持った薬となったのだった。ただ可愛い弟に無認可薬の投与は憚れたので、きちんと臨床実験をし認可を取ってから、医師の指導の下投与していた。今では菅原製薬の主力商品にまで上り詰めた医薬品が、当時社員でもない御曹司たちがただ一人のために開発したという事実は会社のトップシークレットである。
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