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12 新婚旅行と芸術と初めての夜8☆

「ぁ……ん……ゃぁっ!」  ビクリと身体が跳ねあがり強く一輝の指を締め付けた。その場所を指で刺激しながらキスを忘れてしまった妻に囁く。 「碧、キスして」 「は……ぃっ…んっ」  懸命にキスを繰り返しながら、初めて味わう刺激に腰が揺らめくのを止められないようだ。一度指を抜き取ろうとすると、拒むように力を入れられる。 「大丈夫、まだ終わりじゃないから」  指を増やしてまた蕾を犯していく。まだ完全にオメガのホルモンが活発化していない碧のそこは自然に濡れるまでに至っていないから、時間をかけて解していくしかない。キスで酔わせ、感じる場所を刺激したりそらしたりしながら徐々に指を増やしていく。  内側からの刺激を受けるたびに碧は小さく跳ね、小さな分身を一輝に擦りつけてくる。キスをしながらそこも弄って欲しいと仕草でねだってくるが、敢えてはぐらかした。  代わりにキスを深くしていく。  唾液を啜り上あごを舐めると甘い声が止まらなくなる。  二本の指は碧からの抵抗がなくなるのを待ってバラバラに動かし、感じる場所を刺激しては広げる動きを繰り返した。充分にほぐれたのを確認し、指を三本に増やす。 「ぁぁ……」 「大丈夫、気持ちいいことしかしないよ。碧は気持ちいいことが好きだろう」 「ん……すき…」  蕩けた声で答え、自分からキスをしながら腰を押し付けてくる。性に未熟で無知なのに、与えられた快楽を素直に受け取り無意識に淫らに一輝を煽ってくる。一輝のに自分の分身を擦りつけながら蕾を締め付けキスをする淫らな妻に、どんどん溺れていく。  こんなにも快楽に弱い碧がもっと強い刺激を覚えたらどうなるのだろう。  彼の嬌態が見たくて、一輝は分身を扱きながら中の最も感じる場所を強く刺激した。 「ひぁぁぁっ…ぁ…ゃだでちゃう……ぃっちゃうよぉぉぉ」  急な刺激にもうキスどころではない碧は、一輝にしがみつきながら腰を振り乱した。 「達っていいよ。いっぱい出して」 「ゃぁぁぁっ……んっ…ぁぁっ」  二か所からの急激な刺激に、碧は耐えられず湯の中に蜜を吐き出した。ぎゅうぎゅうに指を締め付ける肉の感触に、一輝もたまらなくなっていた。これが間もなくずっと我慢していた一輝の欲望の象徴を締め付けるのだと想像するだけで果てそうになる。  だが今日は、すべてを碧の中にぶちまけるのだと誓ったのだ。一滴残らずこの可愛い穴の中に吐き出すために、今はぐっと堪える。  弛緩して一輝に身体を預ける碧に声をかける。 「気持ちよかった?」 「は……ぃ」 「でもこれで終わりじゃないからね」 「まだ……続きがあるの?」 「そう。続きはベッドでしよう。立てるかい?」

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