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12 新婚旅行と芸術と初めての夜10☆

 怖がる碧をなだめながら、ゆっくりと根元まで飲みこませていく。 「さっき、中を擦られて気持ちよかっただろう。今度はこれでするんだ、もっと気持ちよくなる」 「ほ……んと?」 「私は碧に気持ちいいことしかしないよ。大丈夫、碧もこれが好きになる……試してみようか」  ゆっくりと抜いて、碧の感じる場所を狙ってズンッと突く。 「ひぃぁぁっ」  ギュウっと蕾が欲望を強く締め付けてくる。 「気持ちいいかい?」 「んっ……ぃぃっ!」 「もう一回して欲しい?」 「して、欲しい、もっとぃっぱいしてぇ」 「いい子だ。いっぱいしてあげるよ」  緩やかに、碧の感じる場所を狙って腰を動かしていく。突かれるたびに可愛い啼き声が碧の唇から漏れ、快楽に耐えようとしているのか細い指がきつくシーツを握りしめている。そして淫らな腰がもっとと促すように揺らめいている。  その煽情的な姿に一輝も碧の中にある欲望を大きくしていった。  膝の裏を強く押し、碧の腰を浮かせると動きを早くしていく。  感じる場所を突くたびにぎゅうぎゅうと締め付けてくる内壁に、一輝ももう耐えられなくなっていた。 「ゃぁぁぁぁ、へんなの、くるっ! かずきさ……たすけてぇぇ」 「それで、いいんだっ…いっぱい感じてなさい!」  頭を振り乱し快楽から逃れようとする碧に、キスで動きを封じ激しく腰を使っていく。絶頂へとむけて。 「ぃゃ、いくぅっ!」 「んぅっ」  感じる場所だけを突かれながら碧が蜜を放つ。その強い締め付けに一輝も内壁に熱い蜜を迸らせた。  荒い息遣いが部屋の中に満ちていく。  碧を抱いたという充足感に一輝は放心した妻の身体を強く抱きしめた。  一輝の蜜が吐き出されるたびに、嬉しそうに内壁が締め付けてくる。その心地よさに亀頭球が治まっても彼の中から抜くことができない。 「どうだった、初めてのセックスは?」 「これ……セックスっていうの?」 「そうだよ。愛し合う者たちがする大切なことだよ。私たちは夫婦だからね、これをいっぱいするんだ」 「いっぱい? みんなしてるの?」 「そうだね。ほとんどの夫婦はしているよ。碧は気持ちよかった?」  訊かなくてもわかっているが、碧の口から聞きたい。 「ぅん……気持ちよかった……でも……」 「でも?」  でもなんなんだ。不満があったというのか。持ちうる限りの、アルファの男だって啼かせるテクニックのはずだが、オメガには物足りないのだろうか。 「まだ……繋がってるところ、ムズムズするの……助けて」  碧がギュッと抱き着きながら腰を揺らしてくる。その可愛い催促に相好を崩し、存分に応えたくなる。彼が啼いて許しを乞うまで。 「何度でもしてあげるよ」  一輝は碧の唇を貪りながらまた欲望を大きくしていった。

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