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13 だるい身体と甘い朝と兄二人6

(一輝さんも気持ちよくなったんだ……)  勝手に収縮を繰り返す内壁に、何度も蜜が吐き出されるのを感じる。碧よりもずっと長い時間をかけて大量の蜜が打ち付けられる。その間は抜くことができないと、昨夜知ったばかりだ。  一輝の蜜をたっぷりと受け止め、繋がりを解かれると同時に流れ落ちてくる。 「シャワーを浴びよう。それから朝食だ」 「はぃ…ぁんっ」  中を伝う感触すら気持ちいい。  あ、そうだ。 「だめ、まだダメだよ」 「もう一回したいのかい?」 「違う、今度は僕が一輝さんを気持ちよくしないと!」 「え? 充分気持ちいいよ」 「でも次は僕のを一輝さんの中に入れるんですよね」  夫婦だし……と言い募ると碧は身体を無理矢理起こし、開いた一輝の足の間に座った。  確か、蕾に指を挿れて……それでいいんだよね。  なにをしたいのかわかった一輝は、そこへと指を伸ばした碧をどうしてか慌てて止めながら足を閉じた。 「これはね、挿れるのはね、それぞれ役割があるんだよ」 「役割?」 「そうだ。妻が受け入れる側って決まっているんだ。だからこれだけはお互いにってしないんだ!」  熱弁され、色々と説明される。  あまりにも色々と言われよくわからないまま納得するしかなかった。  まさか一輝が己のバックバージンを守るために、訳の分からないことを言い並べているとも知らずに。  一輝が教えてくれることがすべてだと思っている碧はただ素直に従っていった。  シャワーを浴び、中を綺麗にすると少し遅くなった朝食を摂りに行く。ホテル内の赤を基調としたカフェに訪れると、見知った顔がそこにあった。 「あれ、兄さんたちいる」 「なんだと!?」 「やあ、碧もこのホテルに泊まっているのか」 「碧久しぶりだね。さあおいで。僕の隣が空いているよ」  既に朝食を摂っていた玄と梗が手招きをしてくる。癖で従い、足を踏み出した碧が交情の余韻でふらつき、慌てた一輝に支えられる。  その一部始終を見た兄たちが一瞬にして凶悪な顔へと変わる。碧に気付かせずに一輝から可愛い末弟を奪い取るように玄の隣のソファへと導いた。  ふかふかのソファに腰かけると、すぐに玄が碧の朝食を注文する。当然、一輝をそっちのけで。  だがもう立派(?)な夫である一輝も黙ってはいなかった。堂々と碧の前に座り、来たウェイターに自分の分もと言い添える。  奇妙な顔合わせとなったが、異様な雰囲気に気付かない碧は、結婚式以来会っていなかった兄たちと朝食が摂れるのを喜んでいた。 「兄さんたちもこっちに観光できたの?」 「急な仕事で出張だ。でも今日から休みになった」  当然半分は嘘である。  碧の新婚旅行を知って無理矢理に仕事を入れ、執念で同じホテルを押さえたのだ。

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