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14 帰国と危険と家族計画7☆
シャツを握ってくる指の強さで碧の不安を感じ取り、一輝は卑怯だとわかっていながら早くこの場を離れるために敢えてこの名前を口にした。
「AMOUビバレッジと菅原製薬を敵に回したいならいくらでも受けて立つが」
虎の威を借りる狐だが、ミヤビを牽制し碧を守るためなら構ってられない。すぐにでも退散してくれるならどんな虎だろうが借りてやる。
「ちょっ、どうして菅原製薬が出てくるのよっ」
「この子が委員長の弟だからだ」
委員長とは、当然玄のニックネームである。
「解ったらもう碧には近づくな」
ミヤビは葛藤で動けなくなっている。碧は欲しいがバックにあの兄がいると思えば躊躇うだろう。なにせ遊びつくした面々にとって玄は正反対で面白みがない癖に威張り尽くす嫌な委員長だったから。できることなら近づきたくないと今でも苦手意識が根底にある。
当然一輝もだったが、碧を知ればそんなのどうだっていい気持ちになる。玄が兄だろうが碧が欲しくなる。
逡巡し動かないミヤビを残し車に乗り込むと早々と出発させた。
思った通り、グルゴーファの効果を失った碧はアルファにとってとてつもなく魅力的な存在になっている。もしこれで発情してしまったら……。アルファというアルファが彼を奪い合う図が頭に浮かぶ。
(絶対家から出せないな、番にするまでは)
ピリピリした雰囲気を感じ取り、碧は黙ったままだ。
家に帰りつくと一輝はきつく碧の身体を抱きしめた。
この子は自分のものだ、そう感じるために。
「……っ一輝さん…痛い……」
「あぁ、すまない。嫌なものを見せてしまったね。あれは忘れてくれ碧」
懇願する。あんな場面を碧に見せたくはなかった。しばらくは……少なくとも碧と番になるまでは、アルファが集まりそうな場所は避けよう。
「一輝さん、ツガイってなんですか?」
「それも……出来れば忘れて欲しいんだが……」
無理だろうことはわかっている。
「教えて?」
いつものように可愛くねだられたら一輝は逆らえない。むしろその少し不安げに縋るような眼差しを向けられると、なぜか下肢の一ヶ所が反応してしまうようになってしまった。
「教えるよ。ベッドでね」
一輝は碧を寝室まで運ぶと、可愛い妻の着衣を全部剥ぎ取り、ベッドの上で実戦で教えることにした。
キスとフェラチオでたっぷりと溶かしてから後背位で貫き、碧が一番好きな体位に変えていく。
「ゃぁぁぁっ!」
腕に力を入れ、碧の身体を上下に揺らす。少し窮屈な体位なのに、啼いて髪を振り乱すほどに狂うのだ。可愛く悶える顔が見られないのが嫌で一輝はあまり好きではないが、これが一番碧の感じる場所を擦るようだ。
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