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15 発情と番と幸せと4☆
「一輝さんに、帰ってきてって……」
『天羽様にですね。かしこまりました。体調がすぐれないのですか?』
「急に体が熱くなって……だから……」
『すぐに連絡を取ります。電話を切って今しばらくお待ちください』
熱い吐息の合間に紡いだ言葉で碧の状況をすぐに察したのか、長く喋らせることなく執事から電話を切る。
これで待てば、一輝が帰ってきてくれる。
でも不安でどうにかなってしまいそうだ。
今までの病気の時とは違った症状に、疼く身体に、碧は悶えるしかなかった。
特にいつも一輝を受け入れている場所の疼きがすさまじく、じっとなんてしてられない。
(なんで……)
涙を浮かべながら自分で落ち着かせようとそこに手を伸ばす。
デニムの感触に阻まれ上手く弄ることができない。
ボタンを外しジーンズを蹴り落とすと、下着の上からそこを弄ろうとした。
「な……んで?」
下着がジワリと濡れている。しかも白い蜜のねっとりさではないさらさらしたものだ。
慌てて下着までもをはぎ取る。
「ぁっ……」
指で確認しようと伸ばしたら、固いはずのその場所にするりと挿ってしまった。
じんわりと締め付ける蕾に、碧は堪らなくなった。指を増やし自分でそこを慰め始める。いつも一輝がしてくれるように動かしながら。
違う。
これじゃない。
欲しいのは、もっと固くて熱い、碧を狂わせるもの。
指なんかじゃ満足できない。
でも止められない。
自分の指で慰めながら何度も何度も一輝の名を呼んだ。
早く帰ってきて、早くここに挿れて。
そしていつもみたいにいっぱい突いて狂わせて。
少し弄ったら収まるかもと思っていたが、逆にもっともっと一輝が欲しくなる。早くここに受け入れたくて狂いそうだ。あの固く熱いもので貫かれ、たくさん突いてもらわないと本当におかしくなる。
でも今、一輝はいない。
自分がどんどんおかしくなりそうで、碧は啜り泣きながら指で中の感じる場所に触れようとする。
(届かない……やだぁっ)
もうどうしたらいいんだろう。
(はやく……帰ってきてぇ)
おかしくなる。頭の中が一輝のことで、一輝とすることでいっぱいになってしまう。覚えたばかりのセックスがしたくて、いっぱいして欲しくて、狂いそうだ。
「かずきさ……はやく……んっ」
匂いだけじゃもう満足できない。
乱暴に指を動かしながら、でも満たされない苦しさに悶え続けた。
だから乱暴にドアを開け一輝が飛び込んでくるまで、玄関の開く音も彼が走ってここへやってくる音も耳には入ってこなかった。フリルがたっぷりとついたエプロンを身に着けたまま下肢を露にし、指で蕾を慰めながらの出迎えになったことにも気付かない。
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