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15 発情と番と幸せと5☆

「碧っ!」 「か……ずきさ……」  その姿を視界に捉えて、碧はやっと安堵しながらその名を呼んだ。  大好きな人の名前を。  身体がおかしくて苦しい、怖い、助けて。  言うよりも先に、一輝が強く碧を抱きしめた。 「ぁ……」  この匂いだ。欲しかったのはこの体温だ。  碧はその耳元にそっと囁いた。 「からだ…熱いの……助けて…」 「……今欲しいものをあげるから待ってて」  碧を抱きしめたまま、ファスナーの下りる音がする。  もうすぐだ……。  碧は自分から大きく足を開いた。 「ぁぁ……んっぃぃ!」  なんの準備もしないまま、一輝の欲望がずるりと挿ってくる。  これが欲しかった。ずっと、身体がおかしくなってから。  ようやく得られた充足感。でもすぐに新たな刺激が欲しくなる。中をぐちゃぐちゃにしていっぱい突いて欲しい。もっと狂わせて欲しい。身体中を一輝でいっぱいにして欲しい。  挿れられただけでは満たされない。  それをおねだりする前に欲しいものが与えられた。今までにない激しさで一輝が腰を打ち付けてくる。 「ゃぁぁかずきさぁ……んんっ…ぁぁぁぁぁあ!」 「碧……あおい…」  いつもなら乱れる碧の様子を「可愛い」とか「もっと感じて」とか言ってくるのに、今日の一輝には余裕がないのか、ずっと碧の名前を呼ぶだけだ。でもそれも心地いい。  きつく抱きしめられたまま何度も何度も感じる場所を突かれ、碧は甲高い声をあげながらあっけなく遂情する。  達ったらいつも「気持ちよかったか」と訊いてくるのに、今日はそれをせずに碧の身体を返すと、一番感じる体位でまた激しく碧を啼かせた。 「ぃぃっ……ぁぁぁ」 「あおいっ……愛してる」 「んっ、ぼくも…かずきさっ、すきぃ」  何度も何度も高い位置から落とされ、蕾が欲望を深くまで咥え込む。その激しさに、絶え間なく中の感じる場所をぐりぐりと擦られて、達ったばかりなのにまた分身が力を持ち始める。でも今日はなにかが違ってる。感じる場所だけではない、深い場所をずんずんと突かれるだけで今までに感じたことのない痺れが湧き上がってくる。  ジンジンするあの痺れとは違う、もっと大きなものが襲い掛かってくるような感覚に、碧は髪を振り乱した。 「へんなの…くるっ! ゃぁぁぁっ」  助けて……。  一輝に縋りつく。  助けて欲しいけれど、止めて欲しくない。もっとして欲しい気持ちとこのまま続けたら狂ってしまう恐怖とに苛まれ、碧は今までにないほど啼き続けた。  容赦なく襲い掛かる快楽に、自分がどうなってしまうのかわからないまま、一輝から与えられる激しさを受け止めるしかない。

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