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嬌声が途切れるに合わせて、濃厚な精気が周囲に広がった。
オレはすぐさまゼリー状の体を動かし、おっさんの肉棒に絡む。放たれた精液を体内に取り込むと、力が満ちるのを感じた。あぁー……これは濃い。
げっぷ……。
ヘビの比ではない、精気の濃さに満腹感が上限を超える。
体をおっさんから離すと、少し距離を置いて彼の様子を眺めた。
視界に入ったヘビは、ゴーレムの頭まで上り詰め、頂上でとぐろを巻いている。
当のおっさんは力尽きたかのように体を地面に横たわらせていた。はぁはぁと、息を整える音に失神はしていないことを知る。
しかし結構な快感だったのか、余韻に浸っている時間が長い。
ふん、まだまだだな。
オレとしては、こんなのはまだ序の口だ。あぁ、肉棒があればなぁ……。
相棒である肉棒がないことに哀愁を感じながら、距離を取ったおっさんに魔法攻撃されないよう、ゴーレムの影に入る。
そこでおっさんがゴーレムに描いた魔方陣を確かめていたことを思い出した。
ぬっと体を伸ばし、魔方陣を確認する。
ゴーレムが動きを止めている原因はオレだ。魔方陣に不備があるわけではないが、どんなものが描かれているのかが気になった。
オレでもいじくれるやつだったらいいんだが。
このピンクスライムの体に、どれだけの魔力が備わっているのかは分からない。けれど今なら簡単な魔方陣は書ける気がした。
おっ、これなら……。
見覚えのある魔方陣に、体を指のように伸ばす。体内に魔力を巡らせ、ゴーレムの主人を指定するところへ点を書き足しながら、魔力を込めた。
これでこのゴーレムは、おっさんとオレを主人と認識するはずだ。
試しに関節の動きを阻んでいる体の一部を回収した。
魔方陣の改変前なら、一度攻撃を加えたオレを、ゴーレムは敵として認定しているだろう。今ならどうか。
様子を見守るオレの前で、ゴーレムはゆっくりと動き出した。ゴーレムの頭の上にいたヘビもシュルシュルと地面に下りる。……よしよし、上手くいったようだな。
ゴーレムが動き出した音を聞いて、おっさんもこちらに振り返った。
オレはわざとゴーレムの間接付近に体を伸ばし、ゴーレムの動きを止めていたのは、ピンクスライムだとアピールする。魔方陣に問題はないと、改変を気取られないためだ。
しかしゴーレムが動いてしまうと隠れる場所がなくなるので、オレはおっさんの死角に入るよう体を移動させた。正直、彼から離れるのは名残惜しい。
折角会えた人間なのだ。思う存分に犯し続けたいじゃないか。
しかし精気の奪い過ぎも人間の体にはよくないので我慢する。
あぁ、スライム壺を持ってでもいいから、また来てくれないものか。この体に髪はないが、後ろ髪引かれる思いで、オレはおっさんから姿を隠した。
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