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 オレの願いが通じたのか、次の日、おっさんはまた来てくれた。  スライム壺を持って。  相変わらずグレーの髪とヒゲは伸ばし放題だ。  ゴーレムの姿は見えないから、置いてきたんだろうか。 「よし、まだいたな……でも何で上にヘビが乗ってるんだ?」  それはオレも聞きたい。  懐かれたのか、あれからヘビはまたオレの上に登り、とぐろを巻いて居座った。  おっさんはオレを捕まえたいようで、そっとスライム壺を地面に置く。  売ったらいい値段になるもんな。心なしか、おっさんの精気のおかげで、昨日に比べて体が大きくなったように感じるし。  何故分裂するのではなく体積が増したのかは分からないが、あんな目に遭ってもまた会いに来てくれたおっさんに付き合ってやることにする。  オレはスライム壺に向かって進行した。 「よーし、そうだ。そのまま真っ直ぐ……」  スライム壺は外から見ると、上部にくびれのある一輪挿しの花瓶のようだ。実際、中へ進む道は極端に狭くなっており、そこを越えると広い空間が確保された構造になっている。  使い方としては、スライムが好きなものを壺の中へ用意し、スライムが入るのを待つ。スライムが中に入ったら、蓋をして終わりというシンプルなものだ。極端に狭くなった壺のくびれ部分のおかげで、一度中に入ったスライムは時間をかけないと外に出ることは叶わない。  まるでオレはスライム壺につられるかのように近づき、入り口までやって来ると方向転換しておっさんに跳び着いた。 「おい!? こっちじゃな……っ」  跳んだ弾みでヘビが体内に入るが、顔さえ出ていれば大丈夫だろうと気にしない。  ふふん、イヤよイヤよも好きの内ってな。本当は昨日の快感が忘れられないんだろう? 自分に正直になれよ。  体に張り付いたピンクスライムを剥がそうとするおっさんを嘲るように、オレはまた彼の服の中へと潜り込んだ。 「くっ……この……ぁ」  昨日のことを思い出させるように、おっさんの下半身にまとわりつく。  さぁ、快楽のはじまりだ。  あれからオレは何とも交わっていない。おかげでゼリー状の体は飢えていた。 「んっく……ぅぅ……っ」  素足を這い上り、いざ秘部へ!  なけなしの抵抗におっさんは手でオレの進行を阻もうとするが、それしきのことでピンクスライムを止めることは出来ない。何せオレの体はゼリー状だからな。  ヌルリとおっさんの手を回避し、目当ての場所に辿り着く。 「ぅあっ……! やめ、ろ!」  可愛がってやるから安心しろ。それにオレも腹が減ってるんだと、おっさんの蕾に体を挿入した。

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