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 町に入るときは、いつもピンクスライムだとバレないように布を被せられる。  一回盗まれそうになったしな。返り討ちにしたけど。  森で話していた通り、シドの魔族領手前の町で、レイたちは休むことにした。  くっくっく、オレの肉棒が火を噴くのも時間の問題だ。  象ったゼリー状の体を固めることは、呆気ないほど簡単に出来た。角張った形は再現出来ないものの、肉棒には関係ないことだ。ふははははは。 「おいこら、変な動きをするな! ピンクスライムだってバレるだろ!」  ただでさえ体も大きくなってるんだからな、とアッサムがぼやく。  しかし今はそんな彼の小言も小鳥のさえずりのようだ。 「では、しばらくこの宿でゆっくりしよう」  レイは二人同室で部屋を取ると、まだ夕方なのにもかかわらず早速ベッドに横たわる。  彼らが同じ部屋なのは、一重にレイの身を守るためだ。まだ年若いアッサムに、レイは町に出ることも勧めるが、アッサムがレイの傍を離れることはなかった。  性欲はオレが処理してるしな!  ぷるぷるとゼリー状の体を揺らしながらレイが寝るベッドに近づく。だが、すぐには手を出さない。彼らには休息も必要だからだ。  アッサムもオレがタイミングを見計らうことを承知しているので、気にせず横になる。 「何かあったら起こせよ」  はいはい、とオレは体を縦に弾ませた。  ゆっくりお休み。  そして起きたらハッスルしようぜ! と、二人の寝顔を見守る。  ピンクスライムに転生してから、こんな風に誰かの傍に寄り添うことが多くなっていた。前世ではめっきり減っていたことだ。  停戦協定の交渉役に名乗りを挙げたのも、戦いにつぐ戦いの悪循環から抜け出したかったからだったのを思い出す。停戦協定が頓挫したことで、結局戦いの中で死ぬことになったが。  魔族と人間では、相容れぬところもあるが、だからといって必ずしも反目し合うべきだとはオレは思っていない。  個体の力では魔族が勝る分、力任せの脳筋が魔族に多いのは事実だ。しかしその分、バランスを取るかのように、魔族は人間に比べて圧倒的に数が少なかった。  それでも人間と対等に戦えていたのは、指揮を取る立場にいる者の手腕あってだろう。魔王はその点で特に秀でていた。  男を犯してる暇があったら人間を殺せと怒鳴られていた日々が懐かしい。  よく、殺したら犯せなくなるじゃないかと、死姦は趣味じゃないと言い返していたものだ。  魔族にものんびりとした平和が好きなヤツがいることを、人間も知ってくれればいいんだがな。  オレが見張りをしていることで安心したのか、二人はすっかり健やかな寝息を立てていた。  何の因果か、レイは前世のオレに犯され、今世のオレにまで犯されるという数奇な人生を送っているものの、オレに対する警戒心は全くなくなっている。その点についてはアッサムも同じか。  命までは取られないことを知っているからだろう。前世から犯す相手は殺さないのがポリシーだったので、今世の転生は中々オレの意を汲んでくれている。  しかし無防備な寝顔を見ていると、性欲が湧いてくるな!

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