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 まさか挿入しただけでイッたのか……?  放たれた精気が自然と体に吸収されていく。 「はっ……あ……ちが、体が……おかしっ……んあぁっ!」  レイ自身も状況を受け留めきれていないのか、久しぶりに泣きそうな声を漏らした。どうやら体がいつも以上に敏感になっているようだ。 「くぅぅっ……入ってる、だけ、なのに……感じ……っ、止まらなっ……!」  再度レイは全身を震わせると、自身からカウパーをトロトロと流した。  ふむ、これは見過ごせないな。  すっかりレイが感じる体になってしまっているのを確認して、肉棒の抽送を開始する。さて、レイは気を失うまで何回イケるだろうか? 「はひっ!? や、やめっ……! あぁっ! あん! ああん!」 「れ、レイさ……ひぅぅうんっ!」  ただならぬレイの様子に、アッサムが反らしていた顔を向けようとしたので、そんな余裕はないぞと、彼に挿入した肉棒も大きく動かした。  グリグリとアッサムの内壁を肉棒でえぐると、一際高い声が部屋に響く。  肉を打つ音の代わりに、ピンクスライムの体が大きく揺れた。  ズズ、ズチュッズチュッ。  太い水音に、二人の悲鳴にも似た嬌声が重なるのが心地いい。 「イクっ、またっ! イッ……あぁぁあああ! っ……はっ、もう、ゆるしっ……あっ! んぉあ! あぁ!」  レイは鼻水を垂らしながら、ベッドの中でもんどり打ち――、 「あふっ……ひっく……! ぅあっ! あっ! らめっ、そこ、らめぇぇええ!」  アッサムは打ち上げられた魚のように、何度もベッドのスプリングを軋ませた。  二人の声に浸っていれば、隣室からの抗議の壁ドンも気にならない。  熱気は正に最高潮! レイとアッサムから放たれる精気も濃くなっていく一方だ。  もしピンクスライムに嗅覚があれば、香しい匂いが部屋中を満たしていたに違いない。男の汗が弾け、空気中に霧散した香りが。  しかしながら、心が高鳴るにつれ、オレは違和感を覚えはじめていた。  待望の硬化魔法を会得し、自らの体で肉棒を作ることに成功したというのに。  レイに挿入した肉棒が奥を突くと、その度に彼は目を見開いた。 「ぉあ!? おっ、おっ……おく、んぁああ!」  そして肉棒が一層に引き締められる。  だというのに。  ゼリー状の体は、放出された精気を吸い取るばかりで……。  身の内で荒ぶるはずの、熱の奔流を、オレに一切感じさせなかった。

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