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第3話 恋って
「なぁ、ミキ。」
「なに?マサト。」
「恋とは…何かね?」
「……は?」
休日、僕はマサトの家に来ていた。
定期試験や課題への愚痴を吐きながら
教科書と参考書を広げながら菓子を食べていた最中に
彼はとんでもない話題を僕に振ってきたのだ。
少しの間止まる僕を他所に
マサトはスナックを口に含みながら
話を続ける。
「恋よ。」
彼の曇りの無い瞳が心にグサリとくる。
でも、僕は知らぬ存ぜぬの顔で彼の肩を
シャーペンの先でつついた。
「あのねぇ。今年受験だよ?自覚あるの?
そんな浮ついてるから小テストでとんでもない点数とるんだよ。」
ごめんマサト。この理論は嘘。
だって僕は四六時中、君に浮ついてるのに
小テストはいつも満点だもん。
内心謝りながら
彼の顔を見ると、上の空の顔。
少しした後に
彼はベットの下に腕を伸ばし、一冊の雑誌を
僕の前に開いた。
「げっ!」
思わず変な声が出た。
そこに載っていたのは
裸の女性がクネクネしたり開脚したりしている写真だった。
「ちょっと!こんなのいきなり見せてくるなよ。」
気色悪い。
そんな言葉を瞬時に飲み込めた僕は
伊達に自分を長年抑圧してない。
我ながら流石だと思う。
少し怒り気味に彼を睨んでみると
彼はまだボヤボヤとした顔で
僕を見るのだ。
「そう、だよな。こんないきなりだよな。」
「…何のこと?何かあったの?」
とうとうバレたか?みたいな疑惑と
もしかして彼も?なんて期待がほんの少しだけ
僕の頭を回った。
しかし、そんなもの達は彼の一言で
一瞬で打ち砕かれた。
「いや、彼女が出来たんだけど…。」
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