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傷跡 1-5
駅に着いた二人は、改札前で立ち止まり電車の時刻表を確認する。
「あ、あと5分で来るみたいだぜ?
確か、3駅くらい先の駅だからさ。すぐ着くよ」
そう話して速生は、ICカードを財布から取り出した。
「……………」
「…………夕人?」
夕人はしばらく黙って立ち止まっていたが、はっと我に帰って、
「あ……うん、そうなんだ…。じゃ、行こう」
二人は人混みをすり抜けて改札口へ入って行った。
通路を歩き、目的の電車が入る3番線ホームへと階段を降りる。
夕人はひたすら、自分に言い聞かせていた。
ーー大丈夫、大丈夫だ……
ーーここには、あいつは……風間さんはいない。
ーーもう、あの事件は終わったんだ。
だから……落ち着けーーーー
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