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傷跡 1-6

「はぁ……はぁ……」 動悸が激しく、冷や汗が出始める。 ーーまただ。 あの時みたいに、息が……苦しい。 「……おい、夕人?ーーーどうした?」 夕人の異変に気づいた速生は、声をかける。 「……はぁっ……はぁっ……… ーーーーー!」 「おいっ!夕人!?」 ホームへ降り立った夕人は、青白い顔で視線を上げた。   ーーーーその時だった。 人混みのホーム。 通過する電車。 振り下ろされた、ナイフーーー。 『相模くん………一緒に死のう』 ーーー蘇る、記憶。 あの日の光景が、夕人の目の前にフラッシュバックしたーーー。

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