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初めての夏 2-6
速生は自室のベッドに横たわり、頭を抱えていた。
(さっき………母さんが、もし部屋に来てなかったら…………
俺は、夕人に…………)
動揺していた。
この気持ちは、初めての感覚は…一体何なのか。
(あの時…………俺、夕人に触れたくて、仕方なかった………どうして…)
わからなくて、もどかしくて……行き場のない感情を、どうにか抑えようと、目を閉じる。
夕人には、早く元気になってほしい。
だけどーーーー……
今は……いや、しばらくの間は、夕人の目をちゃんと見ることができないかもしれない。
この感情を知られてしまうのが、ものすごく、怖いーーー…。
もし知られてしまったらきっと……
きっと俺たちは、今まで通りではいられなくなる…………
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