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交わされるきみへの想い 1-4

「ーーーー夕人のことが好きで、好きすぎてもうどうしたらいいかわかんねぇんだよ!」 突然の大声に、夕人はビクッと身体を震わせた。 速生は夕人が座り込むベッドに近づいた。床に膝をついて、顔を見上げる。 「なぁ、教えてくれよ……夕人。俺、もう、どうしたらいいかわかんないんだよ。 なんで、こんな………、自分でもわかんねぇけど。 一緒にこうやって、夕人の近くにいるだけで、もう、俺………今もずっと、 夕人に触れたくて。好きで、頭おかしくなりそうなんだ」 速生の瞳から涙が零れる。 こんなにも苦しそうに自分を見つめる速生を、今までに見たことがあっただろうかーー? 久しぶりに見た速生の泣き顔に、胸が締め付けられて痛くて、どうしようもなくて。 「なっ…泣くなよ、バカ……。 泣いたって、何も、変わんないだろ…………。 泣き虫速生……」 「…っ……きっ、昨日あれだけ、俺の前でボロ泣きしてた夕人に、グスッ、言われたくねぇし………」 「なっ…………!あ、あれは…! それとこれとは話が別だろっ!」 「別じゃねぇし………じゃあ、夕人はなんであんなに泣いてたんだよ? 説明しろよ。できる?」 「〜〜〜〜〜〜っ………なんで、そんなこと言うんだよっ……」 こんなにも,意地悪く、自分を責め立てる速生の口ぶりは初めてで。 怒ってるようで、拗ねているようで……、無言で見つめられてどう返答すればいいか考えても,正解は見つからない。 「……………」 速生は真っ直ぐ、ただ黙って夕人を見つめて、答えるのを待っている。 「そんなの………っ、速生のことが、大切だからに決まってんだろ………大切で、それで……」 じっと見つめられて、こんな、まるで……心の中を透かされるようで。顔から火が出そうだ。 「……………それで?」 「怖かったんだ……速生が、いなくなったら、どうしようって………。 俺の前から、いなくなったら…そんなの、耐えられない………だって…」 速生は相槌も打たず、夕人の言葉を聞いている。 その沈黙が気まずくて、前を見られない。 恥ずかしくて、どうしようもなくて……もはや自分が何を言っているのかわからなくなるほど、動揺しながら続ける。 「ずっと一緒にいたくて…離れたくない、から……だから、俺………。」 自分の気持ちを、ちゃんと口にすることで、気付いた。 速生へのこの想いが、何なのかーーー… 「速生のこと、俺…………俺も…………っ」 その言葉を遮るように、速生は、立ち上がってベッドの上の夕人に手を伸ばした。 ーーーギシッ…… 「!……はや………っ……」 シングルベッドの上。長い腕がのびてきて、ぎゅ……っと強く抱きしめられた。 夕人の身体は思わず硬直してしまい、されるがままに、ただ力強く、抱きしめられる。 速生の体温を感じた。 大きな肩に包まれたその時、どこか、知っている香りが漂う。 激しく高鳴る鼓動とは裏腹に、その心地よさに、頭の中は酔いしれてしまいそうで。

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