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第30話
蒼空が中学生になった春のある日、彼には新しい父親ができた。少し強面なところもあるが、山之内は、母親にも蒼空にも優しかった。確かに蒼空の父親になろうとしてくれていた。しかし、それも最初のうちだけだった。
半年後の夏の終わり頃から、山之内の様子に異変が見られるようになったのだ。
山之内は、蒼空の母親に手を上げるようになった。
それは徐々にエスカレートしていき、日常的に山之内の怒鳴り声や大きな物音が聞こえるようになる。
アパート住まいだから、きっと隣の世帯などにも聞こえてしまっているだろう。
なぜこんなことをするのか、蒼空には分からなかった。
母親を守りたい蒼空は、山之内を止めようとした。
「止めてくれ!何でこんなことを……」
大の大人に、力で敵うわけがない。蒼空は山之内に払い除けられ、吹っ飛んだ。
「いって……」
壁に叩きつけられた蒼空の唇には血が滲んでいた。
「何だよ。お前まで歯向かうのか?」
氷のように冷たい目で自分を見下ろす山之内に、蒼空は背筋が凍るような気がした。
『この人は……やっぱり父親じゃない』
そう思うと、涙が出た。戸籍上は父親になったけれど、やはり自分の父親ではないことが認識されたような気がする。
「お前は俺の言うこと聞いてりゃいいんだよ。黙って引っ込んでろ」
山之内は蒼空を足蹴にした。
『母さんさんは、何でこんな男と再婚したんだ……』そう思うと自然と涙が出る。これ以上歯向かったら、自分がやられてしまう。
母親を助けたいが、どうにもできない自分が悔しい。
その後、山之内は蒼空にも暴力を振るうようになった。
なるべく山之内に会わないようにしたが、母親のことも気になった。
気に食わないことがあれば平手が飛んでくるし、蹴られることも日常的だ。
母親に、山之内と別れろと何度も言った。しかし、母親は「あの人には良い面があるのよ」と言って憚らない。
母親は完全に、山之内に支配されてしまっている。
事態は、さらに深刻になっていった。
「おい。しゃぶれ」
ある日、山之内は母親を外出させ、その隙に蒼空を服從させた。
立ったままズボンと下着をおろすと、その前に蒼空を膝まづかせる。
義父の局部を目の前にして、蒼空は顔を背けた。
すると、山之内の手で顔を正面に戻す。
「ホラ、さっさとしろ」
苛ついた様子で、山之内は蒼空の口に当て中へとねじ込んできた。
「んっ……うぐっ……」
初めてブチ込まれたそれに、蒼空は抵抗感に加えて息苦しさを感じた。
喉の最奥まで突き入れられ、えづきそうになる。けれど、口内を圧迫されているためそれもできない。
山之内は容赦なく腰を動かし始める。
『苦しい……嫌だ……!誰か助けて』
蒼空がそう叫んでも、叶うわけがなかった。
逃れようと思っても、頭を手でホールドされて無理だ。
「しっかりとしゃぶれよ。溜まってんだよ俺」
目線を上に向けると、山之内が冷酷さと熱を帯びた目で見下ろしてきた。
自身の意思とは裏腹に、蒼空は黙々とそれをしゃぶり続ける。まるで感情のない人形かロボットのように。
蒼空の口内で硬さを増した山之内の中心は、精をはき出した。
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