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第37話

 それから数日後、蒼空から電話がかかってきた。彼と電話で話すのは二日前以来だ。 『やっぱり俺、三笠さんに会いたいです。土曜日、新幹線でそっち行ってもいいですか?』  切羽詰まった様子で、蒼空は決意表明した。  蒼空が長野に行ってからもうすぐ一ヶ月になるところだ。 互いに一週間が経った頃には会いたいと言っていたのだが、どちらも忙しくなってしまいこれまで会えずにいた。 「で、でもお金大丈夫?」 『はい。三笠さんに会わなきゃ、俺死んじゃいそうです』  蒼空にそこまで言われたら、感動すら覚えそうだ。 「俺も凄く会いたいよ。事件が立て続けに起きたから、空けられなかったんだ。ごめんね」 『土曜日、行っても大丈夫ですか?』 「うん。大丈夫だよ。時間空けておくよ」  わざわざ蒼空に来てもらうのは申し訳ない感じもするが、久しぶりに会えるのは嬉しい。 『じゃ、土曜日まで待っててくださいね!きっと行きますから』  蒼空の声が弾んでいて、自分に会いたいと思ってくれていることが伝わってくる。 「うん!楽しみにしてるから。気を付けてきてね」  その夜は、二人とも幸せな気分で就寝した。

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