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第40話

☆ 蓮ちゃんがいなくなった部屋で独り、 ベッドの上で寝転がって天井を見上げる。 このままじゃマズいと思う。 どうしたらいいかはわからない。 ただいまのままでは、 いままでとは比較にならないほどマズい状態だ。 自分の中にあるナニカがギリギリなんだって感じ。 上手く言えないしちゃんと見えないけれど、 なんていうかもうギリギリって、そういう感じだ。 蓮ちゃんが出て行って、 脱力したオレはベッドの上で天井を仰いだ姿勢のまま、 どうしていいかわからずにぼーっとしている。 少し前、携帯が震えてた。 気づいていて放置した。 もうなにもかも・・・蓮ちゃん以外のなにもかもがうっとうしい。 蓮ちゃんを想う気持ちすらも。 蓮ちゃんを想うととても息苦しい。 果たしてこれは恋だろうか。 頭をくしゃりとされたことを思い出して、 身体中がアツくなるのを感じると、瞼を閉じる。 「はぁ・・・」 あんな風に不意に、蓮ちゃんに触られてしまって・・・ まだお昼にもならないベッドの上で、 自分の身体は勝手にソコにネツが集まって、アツい息が漏れる。 頭の中だけで蓮ちゃん・・・と呼べば、 上半身裸の蓮ちゃんはどこか余裕そうな顔つきでオレを見下げて 身体をまたぐと、オレの紙を撫でた。 あの日、オレには出来なかったキスを、蓮ちゃんがしてくれる。 ・・・蓮ちゃん・・・ ベッドの上でソコだけを晒した格好で、オレはそのまま息を荒くした。 「遅くなってごめんね。」 ベッドの上で「蓮ちゃん」の手のひらで欲望を吐き出すと途端、 現実世界に引き返す。 起き上がってすぐ彼女からのメッセージに返信して、 少し遅れて待ち合わせの場所にかけつけた。 身体のどこかがキリキリしている自分を隠して、 オレはなにごともなかったように笑ってる・・つもり。 目に映る彼女は、本当はどう思っているのだろう。 明らかに最近会う頻度が減っているオレに、 なにかを薄々感ずいているのだろうか。 今年のクリスマスはちょうど週末で、 ぎりぎりまで動かなかったおかげでホテルの予約を取るのが大変だった。 クリスマスが近いこの時期に、 この子は別れを切り出すってことはあるだろうか。 女の子はときおりとても現実的だ。 「遅れたお詫びに奢って。」 「もちろん。」 笑って、その華奢な身体を抱き寄せた。 この子ともいつか別れる。 でも、それは今日じゃない。
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