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第67話

「こら。じゃますんな。」 「っ・・キス・・したぃ」 自分ばかりが気持ちがいいのは気が引けたし、 なにより本当に蓮ちゃんとキスがしたかった。 ぴちゃぴちゃと音を立てて舌を絡め合うと、 今度は自分が 蓮ちゃんの胸元を手のひらで撫でて、 そのまま首筋へ、鎖骨へ、キスを繰り返す。 溢れる自分の、 蓮ちゃんへの見えない想いが、どうか伝わるといい。 もうずっとずっと、好きだったんだ。 人生のほとんどを、 この男を想うことについやしてきた。 キレイに筋肉のついた肌の上を唇で、舌で 舐めまわすオレの髪を撫でて、蓮ちゃんははぁっとアツい吐息を漏らす。 先に蓮ちゃんがしてくれたように、 オレも蓮ちゃんのその場所に唇を寄せて、 はじめて・・・その愛しい、特別な膨らみにキスをした。 「はぁ・・蓮ちゃん・・・」 それは明らかに、 自分が咥えてもらったときよりもずっとずっと、大きな感動だった。 蓮ちゃんの・・・とても特別で・・・とてもイヤらしい、その場所。 頭が空っぽになる。 そして、きっとそれが正しい。 これはおそらく、夢中ってヤツだ。 あとはもうただ、 蓮ちゃんが気持ち良くてオレもそうだったらいい。 はじめて咥えた太くて硬い蓮ちゃんに感動する。 してもらうより、してあげるほうが感動するのだと 今日はじめて知った。 自分も蓮ちゃんのその液体を味わいたくて、 はじめてなりに必死で唇と舌を動かした。 ☆ お互いがどう動くのかをわかる気がする。 視線を交わすだけで・・・もしくはそれすらしなくても。 だからもう、言葉が出てこない。 二人とも。 「はぁ・・っ・・」 力強く身体を組み伏せられれば、 どこか蓮ちゃんにとってやりやすくなるよう、身体は勝手に動いた。 だってもうずっと、こんなことをされたかったんだ。 「へーきか?」 「・・っわ・・かんな・・」 いま、ソンナトコロに蓮ちゃんの指が、3本も入っているそうだ。 恥ずかしいから、いちいちそんなこと言わなくていいのに・・ なんて思いつつも、 蓮ちゃんによって少し強引に・・でも、 ゆっくりと時間をかけてここまで来て、 蓮ちゃんの指たちを受け入れられるようになったその場所は、 正直まだ、気持ちがイイとはなってはいない。 そうして、ナカで動いてた指が抜かれると、 どうしたって全身が緊張した。 視線か絡んで、オレも蓮ちゃんもゴクリと唾を飲む。 「杏野・・」 「蓮ちゃん・・・」 はぁ・・っと息を吐いて、 オレは少しでも挿れやすいように身体をひらいた。 「杏野が好き。」 とつぜん言われてきゅんっとした。 好きって言葉はこんなにも全身がときめく、 特別な言葉だったんだって、ようやく知った。 「ん・・・オレも蓮ちゃんだけがずっと好き・・」 自然と瞼を閉じる。 どうか・・・ 蓮ちゃんとひとつに繋がりたい・・・

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