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コツがあるんだよ③
ギルドに着くと、集めた素材をカウンターへと持っていく。
「沢山集めましたね!凄いです」
アリスがハープ草と素材を確認しながら褒めてくれるから、嬉しくて頬が緩む。初めての依頼は無事に大成功って感じだ。
「確認が取れました。こちら報酬になります。一角兎の角の金額も合わせて五千ゼニーです」
「ありがとうアリスちゃん」
報酬を受け取ると、外へと出る。それから、報酬の半分を別の袋に入れ直してダリウスへと手渡した。
「今回の依頼が成功したのはダリウスのおかげだ。だから、これ受け取って欲しい」
首を傾げていたダリウスに説明すると、やんわり報酬袋を返されてしまった。
「これは君が使った方がいい。装備を揃えなければいけないし、俺は君が喜んでくれるのならいくらでも力を貸すから」
「いいから受け取れって!力を貸してくれるのはありがたいし、俺はまだまだ足でまといだけど、俺とダリウスは対等な関係だって思ってる。だから、これはお前のものだ」
報酬袋を無理矢理ポケットへとねじ込んでやると、そのまま前へと歩きだす。そうしたら後ろから手が伸びてきて優しく抱きしめられた。
「なっ、なんだよ!?」
「今すぐ、クリスのことを抱きしめたくなったんだ」
「っ、離せって。見られるから」
暴れると、あっさり離してくれて安堵する。油断も隙もないやつだ。
恥ずかしさで熱くなっている頬を、手で仰ぎながら足早に前へと進む。その隣を余裕の笑みを浮かべながらダリウスが着いてくるから『変態』って小さく悪態ついてやった。
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