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いざっ、出動!②
リアムの寝ていた部屋から、物音が聞こえてきて身体を離す。
急いで部屋に向かうと、目覚ましたリアムが起き上がろうとしていて慌てて止めた。
「目覚めてよかった。寝とけよ」
支えてやりながら寝かせてやる。
「……ありがとう」
再び横になったリアムがダリウスへと視線を向ける。毛布を掴む手がきつく握られて震えていた。
「……被害の状況は?」
「あまり良くはない。死者は出ていないが、ほとんどが重症を負っているよ。ギルドから人を派遣することは無理だろうね」
「僕のせいだ。調査用のアイテムが魔力探知を誤ってしまったからこんなことに……」
「関係ないよ。遅かれ早かれあれとは対峙することが決まっていたからね」
ダリウスなりに慰めてあげようとしているんだろう。それをわかっているからこそ、リアムは凄く悔しそうにしている。
「寝ておくといい。あとは俺に任せてくれ」
「どうするんだい」
リアムの質問を受けたダリウスが、俺の肩を引き寄せてくる。驚いてダリウスを見ると、優しく微笑みを返されてしまう。
「俺とツバサの二人で倒してくる」
「……倒せる可能性は低いと思うけれど」
「ツバサが大丈夫だと言ったんだから、倒せるに決まっている」
ダリウスの暴論に、リアムが思わず吹きだした。楽しげに肩を揺らすリアムが、弱々しく拳を突き出してくる。
「その言葉に賭けてみよう」
突き出された手に俺とダリウスも拳を合わせ、絶対にダークナイトドラゴンを倒すと誓う。恐怖はない。俺はダリウスを信じているし、ダリウスも俺のことを信じてくれているから。拳を下ろし、リアムに挨拶をしてから家を出た。
「一週間後、討伐に向かうよ」
大きく頷いて同意する。
それまでに準備をしっかりとしておかないといけないな。
「なあ、この戦いが終わったら伝えたいことがあるんだ」
ダリウスの手に自身の指を絡ませる。そうしたら、髪をそっと撫でてくれながら「楽しみにしているよ」って答えてくれた。
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