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バ先決めよう

翌日、講義と講義の合間に何をして良いか分からず、中庭のベンチでボーッとしていると声をかけられた。 「よく会うね」 「あれ?高山さん?」 「そうそう。あ、今週の金曜、よろしくね」 「こちらこそよろしくお願いします」 「っていうか、こんなところで何してるの?」 「あ…、えっと、空きコマだったので時間潰してました」 「ああ。1年の時って何して良いか分からないよね。俺はもう4年だからこれが終わったら帰るけど」 「それはそれで、俺は持て余しそうです」 こんなに早い時間に放られたら どう時間を潰して良いかわからない。 だって家に帰れば志貴がいるし… 「そうか?授業なんてない方が楽じゃない?」 「いやぁ…、俺、家にいるのが苦痛で」 「へぇ?一人暮らしじゃないの?」 「実は双子の弟と住んでて…、あんまり仲良くないんですよ」 「君、双子なの!?珍しいね。 仲良くないんだぁ… あ、バイトとかすれば? 夜バスケ同好会、活動少ないし、持て余すでしょ」 「あっ…、そういえばバイト探してました」 「この辺、あんまり詳しくないもんね。 そうだなぁ…、家庭教師とかは?」 「うーん…、俺、そういうのはあんまり…」 「なら、接客かなぁ。 あ、居酒屋なら駅前がいいと思うよ。 密集してるし、学生バイトも多いから話も合うと思うし」 「居酒屋いいかもしれないですね! 駅前で探してみます! 先輩、ありがとうございます!」 「おう。じゃあ俺、行くわ」 去っていく先輩に頭を下げる。 あんな親切な人がサークルの部長だなんて、なんてついてるんだろう。 居酒屋のバイトなら、シフト増やせそうだし 志貴が家にいる夜の時間に働ける。 でも、俺はそんなに愛想が良くないから 採用されるか少し不安だな。 ワクワクと少しの不安を抱えつつ、 俺は求人のモバイルサイトを確認する。 駅前だと○×町のあたりかな。 どうせなら、賄い目的で好きな料理の 居酒屋にしよう。 アプリで簡単に応募できるみたいだ。 とりあえず、一件、応募してみよう。 俺は震える指で、初バイトの応募送りを決行した。

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