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コンプレックス

「やめっ!ふぅっ…、やっ!」 長いキスの合間に、何度かやめろと言ったが志貴が止まるわけもなく、 先ほどよりも長く翻弄された。 ようやく解放され、肩で息を吐いていると 俺のパーカーを捲り上げた。 「なっ!?ちょ…、これ以上は…」 「白い。すべすべ」   俺の脇腹を撫で上げながら志貴がうっとりする。 くすぐりに弱い俺は、必死に体をよじる。 「やめっ、本当に!ダメだ!あっ…」 撫でていた手が、少しだけ胸元を掠めた。 それだけで声が漏れてしまい、慌てて俺は首を振る。 「優聖、ここ、感じるの?」 「知らない!」 「ふぅん。じゃあ確かめてあげる」 先ほどよりもさらに上にパーカーを捲られて、俺の乳首が空気にさらされた。 家の風呂は、実家もアパートも男2人が入れる広さがないから、滅多にお互いの裸を見ない。 だからこそ、俺は弟に自分のコンプレックスを見られるのが本当に嫌だった。 「やめろ!見るな!」 「可愛い色」 「う…」 本当にやだ。 だから見せたくなかったんだ。 18にもなって体毛は薄いわ、乳首をはじめ薄ピンクの陰部…、子供みたいで恥ずかしい。 「脇もさ、全然生えてない」 「生えてる」 「生えてるに入らないでしょ」 「うるせぇ!生えてるわ!」 こんなことでムキになるのは、むしろ滑稽まだあるのに、俺は恥ずかしさで大声で言い返すことしか出来ない。 「可愛いね。こんなの、女の子に見せられないでしょ」 「おまっ…、人が気にしてることを!」 なんでこんな辱めを、弟から受けなきゃいけないんだ。 あまりの理不尽さと恥ずかしさに涙が滲んだ。 「泣かないで。俺なら全部受け入れるし、全部可愛がるよ。大切にする」 「そんなことしなくていい。頼むからほっといてくれ」 涙を拭おうとしたが、手の自由が効かず、身を捩るだけになった。 志貴は俺の涙や目のきわに舌を這わせる。 き、気持ち悪い… 「や、やめ…」 そう言いかけたところで、志貴の指が俺の胸の周りをゆっくりと愛撫しはじめた。 「あっ…、やだっ」 ツンとしているそこには触れず、ゆっくりとその周りをくすぐる指にもどかしさで腰が揺れる。 「んん…」 刺激が足りない。 早く、そこに触れて欲しい。 体を揺らしていると、ふいにそこを摘まれた。 「ひゃあっ!?」 甘い電気が体を走り、俺は声を上げながら体を逸らした。 「優聖、エロすぎる。まだここしか触ってないのに」 志貴が息を荒くしながら、そこへの愛撫を執拗に繰り返す。 その度に、腰が浮いてしまう。 ダメだ、これ以上いじられたら…

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