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不本意な吐精

ちらりと目をやると、ズボン越しにそれがしっかりと反応していることが分かった。 どちらかというと、そんなに性欲は高い方ではないので、こんなになってしまっているのはかなり珍しい。 まずい… こんなところを弟にバレたくない。 が、志貴は目ざとく俺の視線の先に目をやる。 「フルボッ…」 「言うな!!」 「そんなに大きな声出さないでよ」 と、志貴は顔を歪めた。 が、俺が口を噤んだのを確認し、不敵に嗤った。 「でもさ、俺なんかに触られただけでこんなに反応しちゃうんだ」 「ちがっ!お前が変なさわり方するからだろ! そもそも俺は性欲なんて少ない方だし、 こんな風になることの方が珍し…」 「へぇ…、俺に触られたからこんなになっちゃったんだ」 「違うから!変な触り方のせっ…んん!?」 ズボン越しにそこを掴まれて変な声が出た。 それに満足したのか、今度はそこを執拗に触ってくる。 ズボン越しなのと、自分ではない者の手であるせいで、いつもとは違う変な感覚がする。 「直接がいい?」 「やめろっ…、さわんな!」 流されまいと志貴を睨み上げるが、俺の理性はもう少しで崩壊しそうだった。 「直に触れてほしい」という言葉が喉元から出かかっている。 「耐えてるところも可愛いな」 目を閉じて耐えていたが、志貴の気持ち悪い発言に思わず目を開いた。 恍惚とした表情で俺を見下ろしながら、右手を動かしている。 獲物を狙うような獰猛な目と目が合って、俺はなぜか期待で背中が粟立つのを感じた。 それとともに、射精感がせり上がってきた。 今、出るのはまずい。 兄としての尊厳とかそういう以前の問題だ。 志貴がおもむろに胸の頂を口に含んだ。 「やめろ」と言う前に情けない声が出て、気づくと俺は達してしまっていた。

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