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鬼電
軽く1〜2試合しただけでかなり疲れた。
が、久々のボールの感触や体育館の雰囲気がとても楽しかった。
休憩中に同じ学年の人たちや先輩とも雑談をする余裕があり、少し仲良くなった。
数人から連絡先を聞かれたりもした。
こうやって俺も友達増やせたらいいな。
女の子とも連絡先交換できたし…
最後に時間がある人だけで晩飯を食べた。
この辺りに詳しくないから、リーズナブルで大人数が入れる飲食店が知れて良かった。
少しだけ、志貴もこの場にいたらな、と思ってしまったが
実際にいたら俺にべったりで、俺の交友関係に影響が出そうなので言わないでおこう。
そろそろ解散になりそうな時、隣にいた女の子に「優聖くんの携帯、さっきからすごい鳴ってるよ」と言われた。
話に夢中になってて気づかなかった。
「嘘!?あ、ほんとだ。ごめん」
と言って、俺は席を立ち、外で電話に出る。
相手は言わずもがな志貴だ。
「やっと出た」
「あ、ああ。気づかなかった。何?」
「サークルっては聞いてたけど遅すぎじゃ無い?」
確かに、今の時刻は10時を過ぎていて、明らかにバスケサークルにしては長すぎる。
が、別に志貴には関係ない。
「ああ、みんなで飯食ってた」
「…、俺、ずっと待ってるんだけど」
「は?」
「優聖、帰ると思って待ってるんだけど」
「…、はぁ。もう直ぐお開きだから帰るけど、飯は自分でなんとかしろ」
「…」
無言で電話を切られた。
遅くなるって連絡入れなかったのは俺が悪いかもしれないけど、サークルに行くとは言っているし、晩飯食べてくることくらい分かるだろ。
俺があいつの嫁とか旦那なら分かるけど、兄弟だからそんな連絡をする義理はないだろ。
帰ったらまたへそ曲げてるのかな、と思うと家に帰るのが億劫に感じた。
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