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大人の玩具

マットレスの上に投げ捨てられ、俺は改めて部屋を見渡す。 「なに…、この悪趣味な部屋…」 「悪趣味?俺が優聖のことを考えて、色々と配置したこの部屋が?」 「どう見ても悪趣味だろ。お前、こんなところで寝てんの?」 「生活は優聖の部屋でしてるし、別に一室趣味で潰すくらい大丈夫」 「大丈夫って…」 こいつ、バイトしてないし、家賃とかこの禍々しい家具(?)のお金だって、きっと親の金だ。 幼少期から豊さん(父)に余るほどのお金を手渡されていた志貴は、昔から金銭感覚が狂っているところがあったが… これは本当に無駄遣いだ。 「そんな顔して…、優聖は自分の立場分かってる?」 「知るかよ」 「ふーん。まずは固定しようかな」 俺が投げ捨てられたマットレスの四隅から輪っかを引っ張り出し、抵抗も虚しく、足まで固定された。 今回は足すらも自由を奪われ、一気に心細い気持ちになる。 志貴は張り付けられた俺を見下ろし、満足げに笑うとクローゼットの方で何やらゴソゴソと探しはじめた。 少しして戻ってくると、どさどさと俺の横にカラフルな何かを落とした。 「どれから使う?」 首を横に向けてみると、多種多様なアダルトグッズが落ちていた。 見たことあるものから、何に使うのか見当がつかないものまで… 真っ黒な極太のイボイボディルドを発見し、俺は恐怖で顔が歪んだ。 こんなもの入れられたら、肛門がなくなる 俺の視線に気づいたのか、 「最初からそんなの入れられないよ。順番通りね」と志貴に言われた。 「や、やだ!!そんなの入れたくない!」 必死に首を振るが、 「おしおきって相手が嫌がることしないと意味ないから」とぴしゃりと言われた。     どうか、それを使う前に解放されますように… 「まあ、俺が興味あるのはこれかな」 志貴が徐に手に取ったのは、AVでもよく登場する電マと呼ばれるやつだった。 使ったことも使われたこともない。 映像では、女優が悶えているけれど、男に使ったところで意味なんかあるのか? 女優すら演技している説もある。 あの黒いディルドが出て来る前に、これでテキトーに昇天したフリすればいいのでは!? 俺は自分の演技力にかけることにした。

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