46 / 58
第46話
目が覚めると自分の部屋のベッドの上で、しっかりと布団がかけられていた。
が、手や足は依然として枷がついたままだ。
一体、俺の部屋のどこに手錠を固定しているのだろう。
体を動かしてみるが、あまり可動域は広くない。
隣には志貴がピッタリと俺に引っ付いて眠っている。
思わず悲鳴を上げそうになり、奥歯を噛み締めた。
志貴を怖いと思ったのは初めてだった。
下はわからないが上は確実に半裸だ。
かくいう俺も、布団はかけられているが、どうやら裸のようだった。
一緒に眠るなんて、前までは鬱陶しいとしか思わなかったが、今は起こすのが怖い。
裸だし、すぐに続きをしようなんて言われたくない。
よく分からない器具を使われたとはいえ、あんなふうになるなんて…、羞恥を超えて恐怖感が強い。
それに、まだ拘束されているということは、俺は解放されないらしい。
学校やバイトやサークルはどうなるのだろう。
不安で眩暈がしてきた。
じっと天井を見て耐えていると、「んん…」と志貴が寝ぼけながら俺の肩に顔を擦り付けてくる。
そういえば、体が綺麗になっている。
色々な液体でベタベタだったはずだから、志貴がやったんだろう。
汚れは落ちても、ケツや陰部に違和感は残っている。
ケツのほうは初めてじゃないからいいけど、前の方は排尿が非常に怖い。
こいつが持っている玩具はまだまだ種類があった。
あれ以上のことをされるのかと思うと、逃げ出したい気持ちだった。
残念ながら、しっかりと拘束されているけど。
俺の体に回された志貴の手が、さわさわと俺の体を撫でる。
寝ぼけているのだろうとは思うが、素肌を触られることに嫌悪すら覚える。
敏感な部分を掠めそうになると、少しだけ期待でか、体がムズムズしてくるのも嫌だった。
本当に淫乱になってしまうなんて嫌だ。
間違えて、声を出してしまわないように俺は集中していた。
ともだちにシェアしよう!