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人形

いつもより早く限界が来て、俺はまた優聖の中に吐き出した。 いまだに痙攣している優聖の中が名残惜しく、俺は入れたまま優聖に覆い被さり、涙やら汗やらでぐちょぐちょの顔にキスをする。 「んっ、舐めるな」 優聖が力なく俺の顔を手で押す。 が、力が弱すぎて抵抗にすらならず、しばらくの間続けた。 ずっとこのままでいたら、優聖が風邪を引くかもしれないので、俺はゆっくりと自身を取り出した。 ぬちゅ…っと音がして抜ける時、優聖は「んっ」と身じろいだ。 ああ…、可愛い…… 立ち上がり、風呂にお湯をはる。 その間に軽く優聖の体を拭く。 優聖が出した色々な体液のせいで、優聖の体は液体まみれだった。 余韻があるのか、敏感な部分に少しでも触れると、優聖の体は震える。 お風呂が沸いた音がして、俺は優聖を横抱きにして風呂場に向かう。 「立てる?」と聞いたら、優聖はゆっくりと首を横に張った。 そりゃそうか。 いつものように優聖を膝に乗せ、体や髪を洗った後に湯船に浸かる。 情事後、しばらくの間はぽやぽやしている優聖だが、髪の毛を乾かし終わるとまた無表情で無気力な人形のような姿に戻る。 優聖の心なんていらない 俺のためだけに生きていてほしい そう思っている。 だから、今の状態になんの不満もない。 …、絶対そうだ。 でも、悪いことをすれば怒って、悪意のある言葉をぶつければ傷ついた顔をして、「飯うまい」といえば嬉しそうな顔をする優聖を最近ずっと思い出してしまう。 ふと、優聖の机の上に置かれた、いつか貸したリストバンドが目に入る。 2個入りを小遣いで買って、1個を優聖にあげた時、本当に嬉しそうに笑っていた。 俺と比べられて、バスケなんて嫌いになりそうなのに、新しいリストバンドをつけて楽しそうに部活に向かう優聖… 俺は間違えてしまったのだろうか 一緒に布団に入った優聖が寝ぼけているのか、俺の寝巻きをぎゅっと握った。 「んむ…」とうめき、眉根を寄せている。 悪い夢でも見てるのか?と頭を撫でると、手は依然として俺の服を掴んでいるが、表情が和らいだ。 やっぱり、手放したくなんてない。 たとえ、人形みたいになってしまったとしても。

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