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第4話 裸の写真
「ちょっと先輩、マジですか?」
「マジだから、ウチに連れてきたんじゃないの。」
ここは瀬川先輩の家。
どんな流れか、瀬川先輩の家に、僕と、レンさんがついてきた。
「だって、僕は初対面ですよ。」
「私は二人どちらも知ってるから。仲介役で。」
僕は、女性の部屋に入ることも初体験なんだけど。
「じゃあ、早川くん家でやろっか?」
「えーと、無理です。」
「でしょ?だから、ウチに来たのよ。さ。」
と、一眼レフを渡された。このカメラは、部活の所有物。つまり、学校の備品だ。
メモリで保存するから、パソコンがあれば、そこでデータを抜き取ってしまえば、たしかに証拠はバレることはない。
「先輩、手慣れてるんですねえ。」
「わたしは、写真部ですから。カメラの扱いは慣れてるってだけですw。」
先輩、上手だなあ。
ってな訳で、なんとなくレンさんの姿を写真に収めてるけど、無口だなあ。今日初めて会ったのもそうだけど、まだ喋ってるところ、見てないや。
目だけカメラ視線、
ちょっとうつむき加減、
ベッドに横になって、体をひねってるところ、
なんか、なんていうか、色っぽいんだな。
体のどこか、顔の表情のどこかに、セクシーなところがあるんだな。
体を少し起こして、上体の隙間からカメラを覗き込む仕草のときは、瞬きをゆっくりするもんだから、カメラ固定で連射しちゃったもんな。
「そしたら、レンくん、ちょっとシャツたくし上げてくれない?」
はい、レンさん、まだ服脱いでませんよ。残念でした。
でもこれから、少しずつ脱いでいくみたい、な雰囲気だなあ。
寝そべりながら、片手でシャツの真ん中くらいをつまんで、摺り上げていく。
お腹の肌がちょっと見えてきた。
後ろから瀬川先輩のスマホのシャッター音も聞こえてきた。
体を起こして、肩のところを両手でつまんで、上げる。顔が半分隠れて、くびれが現れる。
後ろ姿からシャツの裾を、クロス腕で掴んで、ゆっくり持ち上げ、腕を伸ばして頭も通して脱ぎ放った。
そのシャツをそのまま下ろし、ちょっと振り向く。
背は高くないし、美形でもない、筋肉質ということもない、
平々凡々の体なのだが、なぜかセクシーな体の動きをする。
なんとなく、色っぽい体に見えるのだ。
ベッドの上で膝立ちで、ズボンの中のパンツの内側に手の平を滑り込ませる。
その手を、少しずつ下ろしていく。
ズボンを、パンツごと下げていく。
腰骨から衣類が下にずれていき、肌がどんどん露になっていく。
「うーん、レンくん、いやらしいわね~」
「先輩、オヤジが入ってますよ」
膝まで下ろし、太ももがすべて視界に入った。
つまり、そういうことだ。
あの日に撮った写真と、同じ格好になったのだ。
今は、この姿は、目の前にあった。文字通り、手を伸ばせば届く距離だった。
明るい視界でフレームに収められたモノも、なかなかのモノだった。
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