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第8話 窓の内側
また、部活遅くなっちゃった。
なんか、デジャヴかなあ。前にも、こんな感じになった気がした。
気がつけば、ちょうど一週間か。あの出来事から。
あれから道を確認したので、「その道」はもう理解して、迷いなく通ることが出来るようになっていた。
そのためかどうかは分からないけど、なんとなくというか、
あの道を進んでいた。
今度はちゃんと、あの家を目指して歩いていた。
「そうそう、あれだ。あの家だ。レンさんの家だ。」
あの2階の窓。やっぱり電気が点いていて、カーテンもかけていないので、部屋の中まで見える。先週と同じだ。
その窓に近づいたところで、また裸のレンさんが現れた。
日課なのかな?
そして手にはスマホ、今度は動画モードになっていた。
ピロンと音が鳴って、録画スタートしてしまった。
先週と違うのは、窓が開いていなかった。
ガラスの真ん中あたりに両手を宛てていたのだ。
当然素っ裸なので、今日もやっぱり、脚の付け根まで見えている。
先週と違ったのは、ここからだった。
レンさんの背後から、違う人が現れた。その人も裸だった。
そしてレンさんの背後に重なると、片手をレンさんの腰に回して、腰を突き出す格好になった。レンさんは男の腰に自分の尻を突き出している。
やがて男は両手をレンさんの腰に回して掴んで固定して、前後に振り出した。
レンさんの体が前後に揺れだして、窓ガラスが音を立てて揺れだした。
窓は締まっていたが、レンさんの声が、その揺れに合わせて聞こえてきた。
こちらは、その姿が丸見えだ。
家の中からは、ガラスが鏡面状態になっているのだろう、外の様子は見えていないかもしれない。
でも、レンさんは、こちらがカメラを向けているのは見えていただろう。
たぶん、視線がこっちを見ていたような気がした。
途中で二人は、たぶん下半身が繋がったままだと思うのだが、そのままレンさんの首を回してキスをしていた。そのまままた腰が動き出した。
その口が離れたと思ったら、後ろの人はレンさんの体を抱えるようにして、部屋の奥に引き込んでしまった。
そして今度は、レンさんのさっきよりも大きい声が響いてきた。
すごい、色っぽい声だった。
ここまでのノーカットの動画、撮っちゃった。
先輩に、コレ、見せるかどうか、悩んでいた。
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