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第65話 三毛⑤

「…いいんですか?」 意外な返事にコノエは戸惑った 「いいんですかって、逆にいいの?もう11時になるけど…」 この時間で家に行くということは、アキラもお泊まりを視野に入れているということだ コノエは手に力を込めた いまさら【やっぱ止めた】は勘弁してほしい アキラは下を向いてはいるが、手はギュッと握りかえしてくる 錯覚ではなかった コノエはアキラの手を引いて歩きだした ※※※※※※※※※※※※ 狭々しい都会のマンションだが一応分譲で、資産価値は1億くらいにはなるだろう コノエはここで妹と住んでいる 今夜、妹は彼氏の家に行っていていない コノエは玄関に入るやいなや、アキラを抱き締めてキスをした 「コノエくん…」 「アキラちゃん、先に言っておくけどいい?」 コノエはアキラから唇を離した 「初めて見たときからあなたのことが好きでした。付き合ってください」 アキラの目に涙がたまっていくのが、スローモーションのように見えた 泣くほど嬉しいのだとコノエは信じたかった コノエがドキドキしながら答えを待っていると、アキラは涙の筋が流れ出すのと同時に、「はい」と大きく頷いた コノエはアキラを引きずるようにして自分の部屋に連れていき、ベッドに座らせた 「ごめん、今日はもう抱かせて。頭おかしくなりそうだから」 コノエはシャツを脱ぎ捨てて、アキラの上にまたがった ゴリ その時、股間の下に不自然な異物感を感じコノエは腰を上げた アキラはというと、目に涙をいっぱい溜めたまま、自分とコノエが接している部分を見つめている 「…もしかして、男の()?的な?」 アキラが両手で顔を覆った 手で隠してはいるが、鼻の下がうっすら青くなっているのが見えた (やば…) 「ご…ごめんなさい!ごめんなさい!!」 アキラが自分のモノを隠すために、白のブラウスを腰の下まで引っ張った 涙で髪が顔に張り付いてぐちゃぐちゃになっている アキラはそんな顔を腕で隠すようにして涙をぬぐうと、 「騙すようなことして…ごめんなさい。もう帰ります」 と言ってコノエの下から這い出した コノエはあわてて手を伸ばした 「え?!なんで帰っちゃうの?!」 コノエに手を捕まれ、アキラの動きがピタリと止まった コノエはアキラを引き寄せて、今度は膝の上に抱き抱えた 「かわいい上にチンコついてるなんて最強なんだけど!」 アキラは驚いて言葉も出ないようだった 「俺、大丈夫!そんなことでアキラちゃんのこと嫌いになったりしない。むしろもっと好きになった!」 アキラの目から大粒の涙がこぼれた 「ふぇぇぇえ…」 泣き声もかわいいとかホント最高かよ… コノエはアキラをありったけの力を込めて抱き締めた コノエとアキラはベッドの上で向かい合って座った 「ということで、続きを致してもいいですかっ?!」 コノエの鼻息荒い要望にアキラは照れ臭そうに、 「うん…でも、本当にいい?幻滅されたりしたら、俺、立ち直れない…ので…」 「ないし!」 プッシールームで男のモノなんて見慣れてるし、なんならそれをオカズに自分のも処理できる ゲイよりのバイの面目躍如といったところだ 「早くアキラの裸見たい」 「う~…」 アキラはまだ踏ん切りがつかないようだったが、コノエに誘導されてスカートの中の自分のモノに手を触れた 丸くて固い先端が、コノエに操られた手の中にすっぽりと収まった コノエは先端をアキラに任せ、自分はツツツツツとサオの部分をなぞった 「ん…」 アキラはもう片方の手で口元を押さえた この既視感… デート中から、いや、出会って目が合った瞬間から、なぜこうまでアキラに惹かれるのか そのヒントがこの仕草にある気がする しかし、思い出せそうで思い出せなかった コノエは口元を覆うアキラの手を取った 「アキラの顔、ずっと見ていたいから隠すなよお」 「あ…」 コノエは濡れた手でアキラのサオをしごき、もう片方の手で後ろに触れた

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