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第4話 合コン
同じクラスのヤンキーが声をかけて来た。
「ハジメ、合コン来てよ。
ハジメたちが来るならって、北女子の女の子たちが、OKしてくれたんで、頼むよ。」
「やだよ。面倒だ。スグルも行かないだろ?」
「あ、オレ、行ってみようかな。
一回くらい経験しないとな。」
「経験ってヤリ目か?」
「ちげぇよ。ただの合コンなら、って事。」
「スグルが行くなら俺も行く。」
初めての合コンだった。
剣道で有名なハジメとスグルは、界隈の女子の憧れなのだ。彼氏として連れて歩きたい。硬派で女の噂もない。
浮気もしない優良物件、と言われているらしい。近所の居酒屋で女子が5人待っていた。数合わせでこちらも男5人。
他の3人もそこそこなのだが、ハジメとスグルが群を抜いてイケメンだ。紹介が始まる。
「あの、和田高2年の高任は知ってるよね。ハジメとスグル。
俺は山井です。あと2年の宮田、1年の福島。
恵美ちゃんが俺と同じ中学だったから、今日は合コン企画してくれたんだよね。
みんな来てくれてありがとう。」
今日の幹事の山井は、ハジメとスグルと同じクラスだ。中々面倒見のいい奴だ。
「女子も紹介して。」
「今日は高任君たちが来るって言うので人数絞るの大変でした。川田恵美。隣の北女子2年です。」
お互いに自己紹介して席がバラけて来た。ハジメの周りに女子が群がる。
そっくりでもスグルには近寄りがたいオーラがあるようで、男子が隣に残った。
「酒も飲めねぇで居酒屋ってのもなぁ。」
「スグルさん、ここの焼き鳥美味いんですよ。」
(食うしかやる事ねぇな。)
チビで可愛い面のこいつは女より食い気、か?
顔を見合わせて、焼き鳥を食った。
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