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第10話 ひとり

 ハジメが目を覚ますとジェロがいない。それからしばらくジェロは帰って来なかった。数日の事だったがハジメは不安だった。ここに来てから一人にされたのは初めてだった。  全てをジェロに頼っていた。言葉もあまりわからない。お金だけはジェロがたくさん両替していたので大丈夫だった。  数日経ってジェロニモは帰って来た。 「ガンジャよりチャラスだ。ハジメもやって見ろよ。」  なんか樹脂みたいなチョコレートみたいな塊を見せた。一服して 「バァームシャンカー・・ハレハレガンガー・・」  マントラを唱えた。 チャラスはガンジャより強烈だった。確かにこれを知ったらガンジャなんて物足りないだろう。  それからのジェロニモはジャンキーへの道をまっしぐら、落ちて行った。  次々に強いモノを漁る。 「ガンジャよりチャラス。マリファナは葉っぱだが、チャラスは大麻樹脂を固めた物。 ハシシュってやつだ。塊、クソだ。 英語だとわかりやすい。マリファナはグラス。 ハシシュはシット。」 そんな事を説明してくれる。ハジメもチャラスは常用するようになった。  ジェロニモはものすごい速さで麻薬に移行して行く。  オピューム(阿片)に手を出したのが  始まりでモルヒネやヘロインなどどんどん強烈な麻薬に移行した。注射が面倒だと、スピード(覚醒剤)を部屋で炙っていた。煙を吸うのだ。ハジメも吸い込んでしまう。二人で地獄へ直行だ。  売人に、L はないか?と聞いて回っている。LSDの事だ。そしてマセドンはないか、と言い出した。まず手に入らない凄い物らしい。  

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