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第12話 裏NGO
ジェロニモが帰って来た。お土産だ、と言って小さな紙に包まれた2mm位のとんがった黒い粒を見せた。数粒入っている。
リセルギン酸ジエチルアミド。遂にジェロニモはLSDを手に入れた。
ブラウンシュガーと呼ばれる劣悪なヘロインでバッドトリップを繰り返し、それにあきたらず、もっと強烈だと言うLSDを探していたらしい。
「ジェロ、やりすぎだ。戻って来れなくなる。
飛びっぱなしで、現実に着地出来なくなるって。
怖いよ。」
「やっと手に入れたんだ。
バラナシにはないって、カトマンドゥから馬鹿高い値段で買って来てもらったんだ。
ハジメと一緒に見たことのない世界を見よう。」
精神分裂病を人為的に作り出せる薬、と言われているのは後から知った。精神分裂病という言葉も今は使われてないが。統合失調症か?
いつも薬でキメているジェロは,今も何かでトリップしているらしい。
ハジメを抱いた。優しく顔を擦り寄せて、口づけしてくる。ハジメもジェロの匂いがするだけで勃起してしまう。
初めてチャラスを試した時は寝込んでしまった。好奇心旺盛なジェロニモは、もっともっと、と大麻で留まらなかった。ハジメは置いて行かれたような気がする。
それでも、性欲が増進するモノと減退するモノがあるらしい事はわかった。
ヘロインに手を出したらもうそれ以上はないだろうに、それで満足出来ないなんて。
ジェロのセックスは激しかった。この世の終わりみたいにしつこい。
ハジメを裸にして、自分も裸になって、身体中舐め回す。ペニスを扱いて無理にイカせる。ジェロの手でイッてしまった。
ジェロはハジメの射精を全部飲み干して足の間を舐める。
「もういいよ。ジェロもイキたいでしょ。」
しつこく後孔を舐めて舌を尖らせて入れてくる。少し感じてしまう。
「おまえ、いつもエロいな。可愛いよ。
愛してる。離したくないよ。」
でも、ジェロのモノは勃起しなかった。
力無くうなだれているペニスを口に含んでも反応がない。
「ごめんよ、少し休もう。おまえの中に入りたい。」
抱き寄せられて顔中にキスされた。少し眠って目覚めたら、
「ハジメ、ごめんな。
俺が試して見るから。」
ジェロニモはLSDを飲んだ。
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