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第33話 倶楽部

 科学はいつも後を追いかけている。仏陀を、キリストを、ムハンマドを。 考え始めると気が狂いそうだ。    ロジャーはあの倶楽部で男を買う。  激しいセックスが答えを垣間見せてくれるだろう。  離婚をして、ユーツーと別れて、ロジャーは特定の恋人を作らなかった。  ワンナイト燃えればいい。そして時々小鉄を抱く。 「恋人って訳じゃないのよ。ホントにセフレ。 ロジャーのセックスが好きなの。  たまに抱いてくれればいいの。」 ロジャーに呼ばれればあのフェラーリテスタロッサをぶっ飛ばして来てくれる。  いい友人なのだ。 また、あの倶楽部でロジャーは時々男を買う。 売れっ子のミカドがお気に入りだ。  だが、ミカドに夢中になっている男がもう一人いた。ハジメ。誰も知らないその恋心。  ハジメはロジャーを知らない。見かけた事があっても、親しく話した事はない。  純情な学生だったハジメも、ジェロニモの死を乗り越えて今は外国で働いている。金が入ると帰って来てミカドを買う。あれほど恋焦がれたミカドを,自分一人のものには出来なかった。   語学が得意なハジメは、海外で肉体労働を好んで請け負う。  父親と折り合いが悪く、家にいたくないらしい。スペイン語が得意なので主に南米での土木作業が多い。  日本にいる時はジムで鍛えまくっていて凄い身体になっている。いつも行くGジムでは、ミスターユニバースの話が出ている。  スグルは一人イギリスに旅立った。ウヰスキー修行だそうだ。ストイックな性格で、地道にアイラ島の蒸溜所で働いている。

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