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第46話 デート?

 スサは小鉄に送られてあの倶楽部に帰って行った。 「フェラーリは2シーターだから、置いてきて正解ね。」 小鉄の恋人のジョーが、自分の車で迎えに来た。  小鉄がフェラーリテスタロッサで攻めているので、ジョーは落ち着いたクラウンアスリートv、で日常の雑用を引き受けている。セダンと言ってもターボエンジン搭載、昔の走り屋面目躍如である。    今日もミトはロジャーにまとわりついて仕事の邪魔をする。  最近ロジが調べ物をしているのは、出雲地方の神社の歴史だった。そもそもこの国の始まりにまつわる話は実に興味深い。  国作りの話はありえない事ばかりだ。神話だから、神がかっているのは当然だが、それが現代に続いていると言うのは面白い。  何故か神道にハマっている。調べて見よう、と、今日ロジは大学に来ている。  物理学研究室にミトもついて来た。ミトはスサとデートなのだ。ここで待ち合わせ。  ロジがご老人に連絡をとって、ミトとスサのデートが実現する。ロジはいつも 「なるようになるさ。」 だったから、ここまでこぎつけた。 「ロジ、普通のデートって初めてだ。」 「スサに任せればいいよ。おわったら、ここに帰っておいで。研究室にいるからね。」  数多の恋をして来たロジだが、ミトと出会って生き方が変わった。  自由に、好きなようにさせる。必ずロジの元に帰って来る、と言う自信。  今、ミトはスサと名乗る謎の青年に夢中だった。スサは爽やかな屈託のない好青年に見える。  だからロジはあまり心配していない。ミトがハジメを追いかけて、一年近くインド、ネパールを旅した時も許したのだ。 (可愛いものだな、初めてのデートだという。 帰って来たら話を聞かせて貰おう。)  二人は大学の近くを歩いた。 「スサは馬を飼ってるの?」 「うん、飼ってるというか、お世話をしている。 可愛いよ。」  手を繋いだ。スサの手は大きくてゴツゴツしていた。 「馬の世話をしているからあまり綺麗な手じゃないな。」 「うん、傷だらけ。」 こんなほのぼのしたデートなんて初めてだった。

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