ロジに抱きついて甘えるいつものミト。 「行ってもいい？ 　ロジは待っててくれるよね。」 「一人で行けるのか？ 　インドに行った時は物理的な支度で良かったが、今度は違うよ。精神の世界だ。」 回想・・ 　ずっとひきこもりで、真夜中の散歩だけが外に出る機会だったミト。 　あの夜、久々の散歩に出たロジと偶然出会う。 「天使を見つけた。 羽根のない天使は普通に歩いていた。」 一目惚れ、だった。経験豊富なロジの心を、瞬時に掴んでしまったミト。 　ミトは、初めて触れ合う大人の男、ロジに興味津々だった。 　何もかも初めての経験で、ロジの何もかもにすごく惹かれる。 　溺愛され、何の障害もない幸せな二人の暮らしが始まった。 　ロジ公認で、秘書のサリナに女性とのセックスを教えられた。そしてロジからゲイのセックスを。ミトはロジを選んだ。 　あの倶楽部に初めて連れて行かれて、すれ違いで出会ったハジメ。 　ロジは久しぶりに再会したユーツーに夢中になってミトを見失ってしまった。ハジメの元にいたミト。 　そして始まる3人の暮らし。仕事でインドに行ったハジメを追いかけてミトもインドに行く。 　インドからネパールへ、一年近い旅だった。 辛抱強くロジは待っていてくれた。 　そしてハジメが新しく恋人を見つける事で、また新たな物語が始まった。 　スグルの登場。ハジメとそっくりの従兄弟のスグル。スグルの始めた「バー高任」。 　様々な人との出会いがあった。 　ロジはミト一筋になった。今までのロジを知る人たちは驚いている。 　 　手の中の小鳥のように、潰さないように、細心の注意を払って、時には好きなところへ羽ばたかせる。必ず帰って来ると信じているから。