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第53話 初めての夜
スサは冷蔵庫から料理を出して温めたり皿に取ったりして食事の用意をしてくれた。
「精進料理だ。豆腐ちくわってのが美味いんだよ。名物だ。それと、なんか野菜が多いな。
おひたしとか、煮浸しとか揚げ浸し。ガッツリ肉とか食いたいか?」
「僕ビーガンなんだよ。インドから帰って来て簡単なビーガンになったんだ。完全じゃないけどベジタリアン。精進料理なんて最高だ。」
野菜料理は豪華に見えなくても手がかかっている。それを用意してくれる人がいる。
きっとスサを愛してる人が作ったんだ。
「誰が用意してくれてるの?」
「おふくろ、だよ。母屋に住んでる。
親父が死んで、俺が宮司。」
「僕、ご挨拶しなくていいの?」
「なんて言うの?俺の恋人の一人です、って?
ま、伯父様から筒抜けだと思うけど。」
食事が終わって二人で後片付けをした。趣味のいい陶器類を傷つけないように気を付けて洗った。
ソファに並んで座ると、スサが肩を抱いてくれた。
「挨拶は明日でいいよ。
今夜は、する?」
「何?」
「セックス。ミトとしたかったんだ。
ずっと我慢してた。一緒に風呂に入ろう。」
優しくキスしてくれた。
耳元で
「初夜だね、可愛い。」
慣れたリードにミトは傷付いた。
「女の人が好きなんでしょ?」
「妬いてるの?俺はどちらもイケる。
でも、ミトを抱きたかったよ。ほらネコを被ってたから。」
笑いながら股間に手を伸ばす。もう硬くなり始めたミトのものを触られると恥ずかしい。
肩に寄りかかってスサを感じる。顎を持ち上げられてキスが上手だ。
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