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第67話 時間の濃さ②
「出雲に行って、時間の濃さみたいなものが違ったの。」
「そうか。
ミトの過ごした三日間と
こちらの社会の三年間が
同じ速さで流れたのだな。
計算で出せるかもしれないが、
私はそれに意味を見出せないよ。
ミトが感じた事、ミトの素の感覚が尊いんだよ。」
「時間の濃さ、か。ミトは無自覚に私をインスパイアするなぁ。」
ミトは、ロジャーにとってなくてはならない存在になっている。
また、ロジャーに身体中を弄られて、ミトは蕩けそうだ。慣れ親しんだ愛撫を身体が覚えている。
「ロジ、大好き。」
ロジャーはミトを抱きながら
(スサにも大好き、なんて言いながら抱かれたのか。)
ふとした時に現れる厄介な感情。
若い頃、もうとっくに克服した感情が、今さら顔を覗かせる。
こんな男ではなかったのに。俗物に成り下がった。
いたずらにロジの逸物を触っていたミトが、
「ロジの、大きくなりそうだったのに、
やっぱ、やめーって言って元気なくなった。」
ロジャーはジェラシーなのか、こんな事は初めてだ。相手が浮気をしてもそれを超えて欲情する自信があった。浮気した相手を忘れさせるほど、凄い性技でねじ伏せて来た。みんなロジから離れられなくなるのは当たり前だと思っていた。
萎えるなんて。
心配するほどもなく逸物は元気を取り戻し,ミトを感激させたが。
「ロジ、凄く大きくなって来た。凶暴なかんじに。」
(スサのモノはどうだったのか、聞きたくなってしまう。このロジャーが負け犬に成り下がったのか。)
セックスでこんな気持ちになったのは初めてだった。いままで考えたことも無い。
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