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第68話 後遺症
それでもミトを堪能させる事は出来た。何回も絶頂を迎えたはずだ。
優しく後始末をしてやり、一緒に風呂に入った。可愛いミト。丁寧に洗う。
きれいな背中。膝にうつ伏せにして、ボディソープを泡立てて手のひらで撫で回す。
もう子供ではない。ミトは綺麗だ。体毛の薄い滑らかな肌は吸い付いてくるようだ。
生まれながらのソドミー。後ろめたさが興奮を誘う。天使を犯しているような。
ミトを後ろから抱きしめた。振り向いたミトは首に抱きついて
「ロジ、目が怖くなってる。
僕が浮気したから?許してくれないの?
僕、打たれてもいいよ。
レイモンがくれた薔薇鞭で、僕を打って。」
「ミト、私はそんなに怖い顔をしていたかい?
可愛いミトを怖がらせたのか。許しておくれ。」
「ロジ、やっぱり怒ってる?」
ベッドで優しく抱いて眠る。
タブーなど無い。心の求めるまま、いつも、誰とでも愛し合って来た。
自分を戒めている――のではない。ただミトだけを愛するようになってしまった。時間とは何だ?時を止めて、愛し合うために若さを求める。ロジは自覚していた。
老人に近づいている。時は待ってくれない。
客観的に見れば、未だにロジはモテる。男にも女にも。魅力的なロジャーは健在だ。求めれば引くて数多だろう。
ロジャーがミト以外を欲しがらないのだ。だから、ミトが望めば、誰とでも共有する。ミトの愛するものを自分も愛してきた。
この三年間、誰にも興味が持てなかった。だから寂しくもなかった。
ミトをこの手に抱いている今が、途轍もなく寂しいのだ。
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