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腕いっぱいの花束に、胸いっぱいの恋歌を p35
「いいよ。いっぱい見ていいよ」
ぼくは、その首にしがみついた。
宗太の唇にむしゃぶりつく。でもなんだってこうぼくは、いつまでたってもキスが巧くならないんだろう。それでも宗太は何も言わずに、優しい口づけを返してくれる。
二人の萌しがふれあい、刺激しあって、さらに扇情してゆく。
「どうしようもないくらい、あんたが好きなんだよ…」
出会ってもう三年も経つのに、この気持ちは古くなるどころか毎日のようにグレードアップして更新されてゆく。セックスだって飽きたりない。肌と肌を合わせるだけでぼくは至福に包まれるし、特段、エキセントリックなことをしなくたって彼の欲情を日々受け入れられるだけで、このうえなく幸せだ。もっとも、宗太は色々と趣向を凝らして仕掛けてくるけど…。
ぼくはすっかり裸になって逆向きに跨り、宗太の興起を口いっぱいに含んでいた。
立派なそれに口の内側をこすられる。それだけでぼくの前のものはたやすく勃ちあがる。腰に甘く蠢くものがたちまち全身を熱くして、欲情のメーターを刻々とあげてゆくのだ。
宗太もまたぼくの尻たぶを掴み、下からぼくのを咥えて、容赦なく扱きあげる。
「あ…! いい…、宗太、すごく、気持ちいい…!」
神経を灼ききるような快楽に負け、ぼくは背中ごとうち震えて、彼を責めだてるのも忘れて獣のように喘いでしまう。
宗太のものもまた、ごつごつするくらいに固く興起している。
ぼくは手でも、舌でも、頬をすり寄せてでも、喉の奥を使ってでも、めいっぱいにそれに愛撫する。昂ったぼくは、そのうちに彼の口内で果てた。
その白濁と自分の唾液とを、宗太は後孔へと塗りつけてくる。
舌でくじいて、中まで押し込んでくる。
「んぁ…、んく…、あ、あっ」
指を使って弱い部分を弄られれば、ぼくはまたイキかける。
「咥えていい…? 見ててよ…ぼくがあんたを咥えるとこ」
「ああ…」
枕元にクッションを積み、そこへもたれかかる宗太の返事も切羽詰まっていた。
ぼくは背を向ける形で跨ぎ、宗太によく見えるように前かがみになって、ゆっくりと腰を沈める。
「んんっ、んは、んん…っ」
その衝撃は、何回ヤっても慣れるものじゃない。けれど相手が宗太だと思えば、この上なく幸福な思いで胸がいっぱいになるのだ。
「…エロい、佳樹」
「もっと、言って。あんたにそう褒められるの、好き」
「エロい。最高。すごいいやらしいトコ、ヒダ開いて丸見えにしてる」
「や…っ」
そんな言葉を耳にして、ぼくはまたもや興奮する。
宗太の親指が接合部をまさぐり、割れ目に沿ってなぞりあげる。そこもまたぼくの弱い場所だと知っているから、何度もそれをする。
「んあ…っ、んっ、」
つらい電流が通ったようになって、ぼくはのけぞる。夢中で腰を振っていた。
つながったまま宗太が起きあがる。挿入の角度が変わってぼくは軽い悲鳴をあげた。
その手がぼくのを容赦なく扱く。汗だくになって、ぼくは再び達した。
脱力しても後ろから貫かれ、頽 れるのを赦されない。腰をかかえられて動きを制された。
「俺がおまえに夢中だってこと、どうしたら分かってもらえるかな」
声は落ち着いていても、内心のもどかしさを証明するように後ろから鋭く突く。それがあまりにも激しくて、ぼくの口からは続けざまに喘ぎが漏れた。
「すご…、――気持ち、い…! 宗太、…んあ、あ、」
「俺も。佳樹だけだ。もう、他にはいらないんだよ」
言い聞かせるように宗太が伝える。
「だったら、よそ見、しないでよ? 他のやつ、綺麗って思ったら、イヤだ。あっちのほうがよさそうとか、思ったらイヤだ」
「馬鹿。思うわけがないだろ」
怒ったふうに言って、宗太がぼくを抱きしめる。
昂じたぼくはまたぼたぼたと白濁を落とした。
宗太は脱力したぼくを離さず、さらに激しく腰を遣う。まるで、尽きることを知らないぼくのやきもちを、それで打ち払うかのように。それでぼくの心を励ますかのように…。
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