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第8話
やがて授業が終わり休み時間になったが、特に何も起こらなかった。そして放課後になり俺は部活に向かった。今日は演劇部での日だ。部長としての仕事もそれなりにあるのでしっかりとこなしておく必要があるだろう。そう考えながら部室に向かったのだが……部室のドアを開けようとした瞬間、中から話し声が聞こえてくることに気付いた。
しかも何やら物騒な内容のようだ。気になってドアを開けると部員たちが何やら話し合っている姿があった。
「どうかしたのか?」と声をかけると全員が驚いたようにこちらを向いた。すると一人の部員が興奮気味に言った。
「部長!実は大変なんです!」「どうした?何かあったのか?」俺は部員たちの話を聞き、驚きの事実を知ったのだった。なんと先週から行方不明になっている男子学生がいるという。しかもその男子学生は昨日も学校に来ていたというのだ。それなのに今日の放課後に部室で物音がして見に行ったところ誰もおらず、机の上には遺書が残されていたのだという。
(どういうことなんだ?)俺は頭を悩ませた。何か事情があって書いたのかもしれないが……。とにかく詳しい話を聞くためにその男子学生の友人を呼び出し話を聞くことになったのだが、話を聞いたところどうやら最近ストーカー被害にあっているらしく警察にも相談していたのだそうだ。しかし犯人は特定できず、途方に暮れているらしい。
(それはもう俺達だけで解決出来る問題ではないのでは?)そう思い立った俺は「とりあえず警察に……」と声をだした時だった。今まで俯いていた男子学生が突然顔をコチラに向け「次はお前だ」と虚ろな目でコチラをじっと見つめていた。
俺は背筋がゾクッとする感覚に襲われた。
(なんだ?こいつ)俺が困惑していると突然男子学生がこちらに向かって歩き出した。
「なっ、何言ってるんだよ!どうしたんだ!?」
俺は思わず叫んだが男子学生は止まらない。そして俺の目の前まで来るといきなり俺の肩に手を置き耳元で囁いたのだ。
「次はお前の番だぞ」と……。
その瞬間、全身に鳥肌が立ち恐怖を感じた瞬間、意識を失ってしまったのだった……。
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